JAJSOB8B March 2023 – April 2024 ADS127L21
PRODUCTION DATA
低レイテンシ フィルタは、CIC (カスケード接続された積分器の組み合わせ) トポロジで、変換データがフィルタ経由で伝搬されるときの遅延 (レイテンシ) を最小限に抑えます。CIC フィルタは特徴的な sinx/x (sinc) 周波数応答を示すため、sinc フィルタとも呼ばれます。レイテンシ時間が広帯域フィルタより短いため、DC 信号の高速収集や制御ループでの使用に適しています。図 7-23 に示すように、このデバイスは OSR をプログラム可能で、いくつかの sinc フィルタ構成を選択できます。sinc3、sinc4 に続いて、sinc1 段をカスケード接続することもできます。sinc フィルタの構成により、アクイジション時間、ノイズ性能、ライン サイクル除去の間でトレードオフを選択できるようになります。
sinc フィルタの周波数応答の一般的な式を、式 19 に示します。単一段の sinc フィルタ モードでは、2 段目は使用されません。
ここで
レイテンシは、新しい変換の開始から DRDY の立ち下がりエッジまでの時間として定義されます。その時点で完全にセトリングしたデータが得られます。未セトリングのデータは ADC によって抑制されるため、データを破棄する必要はありません。各 sinc フィルタ モードの詳細なレイテンシ データを、表 7-14 と表 7-17 に示します。
アクティブな変換の途中で (START ピンや START ビットと同期せずに) 入力信号が変化した場合、完全にはセトリングしていないデータが一時的に出力されます。データが完全にセトリングするために必要な経過時間は、sinc フィルタの表に記載されているレイテンシ時間の値を、それより大きい整数の変換期間に丸めることで求められます。