JAJSOB8B March 2023 – April 2024 ADS127L21
PRODUCTION DATA
広帯域フィルタには、IIR フィルタ オプションがあります。図 7-20 に示すように、IIR フィルタは 5 つのスケーリング係数 (g1 から g5 まで) を持つ 4 つのバイカッド フィルタで構成されています。IIR フィルタ ブロックは、FILTER2 レジスタの IIR_DIS によってイネーブルされます (デフォルトはディセーブル)。IIR フィルタは、FIR3 フィルタの前または後に動作できます。
図 7-21 に示すように、バイカッド フィルタ セクションは直接形式 1 で実装されています。バイカッド伝達関数を、式 27 に示します。
バイカッド係数は符号付き 2.30 形式の 32 ビット整数値で、MSB を符号ビットとして、10 進で -2 (80000000h) から 2 - 2/231 (7FFFFFFFh) までの範囲を表します。係数は IIR_BANK レジスタにアップロードされます。このレジスタは単一アドレス (アドレス 16h) で、80 の係数バイトと 20 のスケーリング係数バイトで構成される、IIR 係数の 100 バイトのセットを格納します。
係数の読み取りと書き込みを行うには、同じレジスタ アドレス (アドレス 16h) に対してシーケンシャルな読み取りおよび書き込み操作を実行します。読み取りまたは書き込み操作が完了するたびに、内部ポインタが次のメモリ位置まで自動的にインクリメントします。表 7-8 に示すように、動作の最初のバイトは係数 g5 の MSB、その後に MSB-1、MSB-2、LSB バイトが続き、その次に a42 の MSB、以下同様に続きます。係数 a42 は、4 番目のバイカッド H4 (z) の係数 a2 を表します。最後のバイト (バイト 100) は、g1 の LSB です。読み取りまたは書き込み操作のシーケンス中にアドレスが別のレジスタに変更されると、ポインタは最初のメモリ位置にリセットされます。書き込み動作中に SPI CRC エラーが発生した場合、STATUS1 レジスタの SPI_ERR ビットをクリアして、係数の書き込み操作を最初からやり直します。フィルタ係数の読み取りまたは書き込みを行うときは、SPI フレーム間に 10 × tCLK 以上の遅延時間が必要です。
フィルタ係数を書き込んでから、ADC を同期します。
IIR フィルタのデフォルト構成は、ユニティ ゲインのオールパス フィルタです。つまり、g1 から g5 まで = 1、bx0 = 1、bx1、bx2、ax1、ax2 = 0 です。ここで、x はバイカッド数です。
IIR 係数 | バイト シーケンス | バイト | デフォルト値 | |
---|---|---|---|---|
16 進 | 10 進 | |||
g5 | 1、2、3、4 | MSB、MSB-1、MSB-2、LSB | 40000000h | 1.0 |
a42 | 5、6、7、8 | MSB、MSB-1、MSB-2、LSB | 00000000h | 0 |
a41 | 9、10、11、12 | MSB、MSB-1、MSB-2、LSB | 00000000h | 0 |
b42 | 13、14、15、16 | MSB、MSB-1、MSB-2、LSB | 00000000h | 0 |
b41 | 17、18、19、20 | MSB、MSB-1、MSB-2、LSB | 00000000h | 0 |
b40 | 21、22、23、24 | MSB、MSB-1、MSB-2、LSB | 40000000h | 1.0 |
g4 | 25、26、27、28 | MSB、MSB-1、MSB-2、LSB | 40000000h | 1.0 |
... | ... | ... | ... | ... |
b10 | 93、94、95、96 | MSB、MSB-1、MSB-2、LSB | 40000000h | 1.0 |
g1 | 97、98、99、100 | MSB、MSB-1、MSB-2、LSB | 40000000h | 1.0 |