JAJSOB8B March 2023 – April 2024 ADS127L21
PRODUCTION DATA
ADC には、1x と 2x の 2 つの入力範囲があります。1x の範囲は VIN = ±VREF で定義され、2x の範囲は VIN = ±2VREF で定義されます。リファレンス電圧が 2.5V 以下の場合、2x の入力範囲では可能な範囲が 2 倍になります。2.5V のリファレンスを使用すると、2x 入力範囲では、通常、SNR が 1dB 向上します。ただし、ダイナミック レンジを最大化するには、入力を 5V の電源レールで駆動する必要があります。可能な最高のダイナミック レンジを得る (標準値 4dB の改善) には、4.096V または 5V のリファレンス電圧を使用します (ADC を高リファレンス電圧範囲モードにプログラムします)。高リファレンス電圧範囲を選択すると、2x の範囲動作が内部で強制的に 1x の範囲モードになります。入力範囲のプログラムについては、CONFIG1 レジスタを参照してください。ADC の入力範囲オプションの概要を、表 7-2 に示します。
INP_RNG ビット(1) | 入力電圧範囲 (V) |
---|---|
0 | ±VREF |
1 | ±2VREF |
場合によっては、利用可能な入力範囲の全体が電源電圧によって制限されることがあります。たとえば、2x 範囲モードで 2.5V のリファレンス電圧を持つ 3V AVDD1 電源を使用すると、入力範囲は電源電圧を上回ります。
また、ADC には、標準のフルスケール範囲を超えて入力範囲を拡張するオプションもあります。このモードでは、入力範囲が 25% 拡大され、信号のクリッピングが発生しない、信号のヘッドルームが得られます。出力データは、正および負のフルスケール出力コード (7FFFFFh および 800000h) が ±1.25 · k · VREF になるようにスケーリングされます。この計算では、 k は 1x または 2x の入力範囲オプションです。
変調器の飽和により、信号が標準フルスケール範囲の 110% を超えると、SNR 性能は低下します。STATUS1 レジスタの MOD_FLAG ビットは、変調器の飽和が発生したことを示します。拡張範囲で動作しているときの SNR 性能を 図 7-4 に示します。拡張範囲モードのプログラムについては、CONFIG1 レジスタを参照してください。