このデバイスには、6 つの マルチコントローラ I2C (Inter-Integrated Circuit) コントローラが搭載されています。各 I2C コントローラは、Philips I2C-bus™ 仕様バージョン 2.1 に準拠するように設計されています。ただし、本デバイスの IO は、I2C の電気的仕様に完全には準拠していません。サポートされる速度と例外については、以下に IO ポートごとに説明します。
- I2C0、I2C1、I2C2、I2C3
- 速度:
- 標準モード (最大 100Kbit/s)
- ファースト モード (最大 400Kbit/s)
- 例外:
- これらのポートに関連付けられている IO は、I2C 仕様で定義されている立ち下がり時間要件に準拠していません。これらの I/O には、I2C 互換の IO では実装できなかった他の信号機能をサポートするように設計された、より高性能の LVCMOS プッシュプル IO が実装されているからです。これらのポートで使用されている LVCMOS IO は、オープン ドレイン出力をエミュレートするように接続されます。このエミュレーションは、強制的に常にLow を出力し、出力バッファを無効にして、Hi-Z 状態にすることにより実行されます。
- I2C 仕様では、最大入力電圧 VIH が (VDDmax + 0.5V) と定義されています。これは、デバイスの IO の絶対最大定格を超えています。I2C 信号が、このデータシートの「絶対最大定格」セクションに定義された制限を超えないようにシステムを設計する必要があります。
- MCU_I2C0、WKUP_I2C0
- 速度:
- 標準モード (最大 100Kbit/s)
- ファースト モード (最大 400Kbit/s)
- Hs モード (最大 3.4Mbit/s)
- 例外:
- これらのポートに関連付けられている IO は、3.3V で動作しているときに Hs モードをサポートするようには設計されていません。したがって、Hs モードは 1.8V 動作に制限されます。
- これらのポートに接続された I2C 信号の立ち上がりおよび立ち下がり時間は、スルーレート 0.8V/ns (すなわち 8E+7 V/s) を超えないようにする必要があります。この制限は、I2C 仕様で定義されている最小立ち下がり時間の制限よりも厳しいものです。したがって、立ち上がりおよび立ち下がり時間が 0.8V/ns のスルーレートを上回らないように、I2C 信号に容量を追加する必要がある場合があります。
- I2C 仕様では、最大入力電圧 VIH が (VDDmax + 0.5V) と定義されています。これは、デバイスの IO の絶対最大定格を超えています。I2C 信号が、このデータシートの「絶対最大定格」セクションに定義された制限を超えないようにシステムを設計する必要があります。
注: I2C3 には、複数のピンに多重化可能な信号が 1 つ以上あります。タイミングは、IOSET と呼ばれる特定のピンの組み合わせに対してのみ有効です。このインターフェイスに有効なピンの組み合わせ (IOSET) は、
SysConfig-PinMux ツールで定義されます。
タイミングの詳細については、Philips I2C-bus 仕様バージョン 2.1 を参照してください。
本デバイスの I2C (Inter-Integrated Circuit) の機能の詳細と追加の説明情報については、「信号の説明」および「詳細説明」セクションの対応するサブセクションを参照してください。