JAJSLY6A March 2022 – July 2022 AMC23C10
PRODUCTION DATA
シャント抵抗 R5 の値は、最大ピーク入力電圧 230VRMS × 1.1 × √2 = 360VPK、および最大許容電流 150μA によって決定されます。したがって、R5 は 360VPK / 150μA = 2.4MΩ と計算されます。R5 は、抵抗ごとの最大電圧降下を許容される 75V に制限するため、それぞれ 480kΩ の最小 5 個のユニット抵抗に分割する必要があります。E96 シリーズの最も近い値は 487kΩ なので、R5 の合計値は 5 × 487kΩ = 2.43MΩ です。
2 個のダイオード D1 および D2 は、順方向バイアス電圧が 200mV~500mV で、温度に応じて順方向電流 150μA が供給されます。したがって、必要な最小電圧スイングと、INP ピンで許容される最大入力電圧の両方を満たします。
D1 および D3 の逆バイアス容量 3pF (最大値) と R5 の組み合わせにより、コーナー周波数が 22.1kHz 未満、または遅延時間が約 7.2μs (最大値) の入力フィルタが形成されます。ローパス・フィルタのコーナー周波数は、値の小さいコンデンサ (C6) を挿入することで低く調整できます。システムで遅延が長くなっても問題なければ、ノイズ耐性を高めるためにフィルタ容量を増やすことが推奨されます。ゼロクロス検出の合計遅延時間は、入力フィルタからの 7.2μs と、コンパレータの伝搬遅延 320ns (最大値) とを加えた値です。ゼロクロス時の AC ライン電圧のスルーレートは、360VPK × 2 × π × 50Hz = 113mV/μs です。したがって、ゼロクロス・スレッショルドの実効値は 113mV/μs × (7.2μs + 320ns) = 850mV です。
表 8-2 に、この設計の主要パラメータを示します。
パラメータ | 値 |
---|---|
シャント抵抗値 R5 | 2.43MΩ (5 × 487kΩ) |
R5 を流れる最大電流 | 148μA |
スイッチング・スレッショルドの実効値 | ±850mV |
伝搬遅延 | 8μs 未満 |