JAJSK14A February   2022  – July 2022 AMC23C14

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. ピン構成および機能
  6. 仕様
    1. 6.1  絶対最大定格
    2. 6.2  ESD 定格
    3. 6.3  推奨動作条件
    4. 6.4  熱に関する情報
    5. 6.5  電力定格
    6. 6.6  絶縁仕様
    7. 6.7  安全関連認証
    8. 6.8  安全限界値
    9. 6.9  電気的特性
    10. 6.10 スイッチング特性
    11. 6.11 タイミング図
    12. 6.12 絶縁特性曲線
    13. 6.13 代表的特性
  7. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 機能説明
      1. 7.3.1 アナログ入力
      2. 7.3.2 リファレンス入力
      3. 7.3.3 絶縁チャネルの信号伝送
      4. 7.3.4 オープン・ドレイン・デジタル出力
      5. 7.3.5 パワーアップ動作とパワーダウン動作
      6. 7.3.6 VDD1 のブラウンアウトおよび電源喪失時の動作
    4. 7.4 デバイスの機能モード
  8. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 過電流および短絡電流の検出
        1. 8.2.1.1 設計要件
        2. 8.2.1.2 詳細な設計手順
      2. 8.2.2 過電圧と低電圧の検出
        1. 8.2.2.1 設計要件
        2. 8.2.2.2 詳細な設計手順
      3. 8.2.3 アプリケーション曲線
    3. 8.3 設計のベスト・プラクティス
    4. 8.4 電源に関する推奨事項
    5. 8.5 レイアウト
      1. 8.5.1 レイアウトのガイドライン
      2. 8.5.2 レイアウト例
  9. デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 9.1 ドキュメントのサポート
      1. 9.1.1 関連資料
    2. 9.2 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    3. 9.3 サポート・リソース
    4. 9.4 商標
    5. 9.5 静電気放電に関する注意事項
    6. 9.6 用語集
  10. 10メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

詳細な設計手順

公称フィールド電源電圧 (24V) で 100μA のクロス電流要件が課されるため、R5 と R6 で構成される分圧抵抗の合計インピーダンスは 240kΩ となります。分圧器のインピーダンスは主に R5 によって決定されるので、R5 には 237kΩ を選択します。

フィールド電源電圧が 20.4V の場合、R6 の両端の電圧は、300mV の固定コンパレータ・スレッショルドと等しい必要があります。この値によって分圧器の比率が決定され、R6 の理想値は R6 = R5 × 300mV / (VTRIP - 300mV) と計算されます。ここで、VTRIP は 20.4V です。R6 の計算値は 3.54kΩ で、E192 シリーズでこれより小さい、そして最も近い値は 3.52kΩ です。

R6 と R5 が既知なら、フィールド電源が有効な動作範囲の上限である 28.8V に達したときにコンパレータの入力に存在する電圧を計算できます。この電圧は V2 = 28.8V × R6 / (R5 + R6) = 421.5mV で、R1 の値を決定します。R1 は、AMC23C14 の REF ピンに接続されている抵抗です。R1 は (V2 - VHYS) / IREF = (421.5mV - 4mV) / 100μA = 4.17kΩ と計算されます。値 4.17kΩ は、E192 シリーズの値と一致しています。コンパレータは VREF + VHYS でトリップするため、V2 からコンパレータのヒステリシス電圧 (VHYS) が減算されます。図 7-1 を参照してください。

R5 = 237kΩ、R6 = 3.52kΩ、R1 = 4.17kΩ のとき、立ち上がりと立ち下がりのスレッショルドは低電圧検出で 20.8V と 20.5V、過電圧検出で 28.8V と 28.5V です。図 8-3 を参照してください。

表 8-4 に、この設計の主要パラメータを示します。

表 8-4 過電圧と低電圧の検出の設計例
パラメータ
分圧器、高抵抗値 (R5) 237kΩ
分圧器、低抵抗値 (R6) 3.52kΩ
基準抵抗の値 (R1) 4.17kΩ
基準コンデンサの値 (C5) 100nF
リファレンス電圧 417mV
リファレンス電圧のセトリング・タイム (最終値の 90% まで) 960μs
低電圧トリップ・スレッショルド (立ち上がり) 20.5V
低電圧トリップ・スレッショルド (立ち下がり) 20.8V
過電圧トリップ・スレッショルド (立ち上がり) 28.8V
過電圧トリップ・スレッショルド (立ち上がり) 28.5V