JAJSK14A February 2022 – July 2022 AMC23C14
PRODUCTION DATA
この例では、シャント抵抗の値は10mΩ で、AMC1300B 電流検出アンプの線形入力電圧範囲 (±250mV) によって決定されます。フルスケール電流は ±25A です。AMC23C14 の短絡電流検出スレッショルドの値は 300mV 固定で、短絡電流スレッショルドは 30A に設定されます。
目的の 20A の過電流検出レベルでは、シャント抵抗の両端の電圧降下は 10mΩ × 20A = 200mV です。ウィンドウ・コンパレータ 1 の正方向のトリップ・スレッショルドは VREF + VHYS です。ここで、VHYS は 「電気的特性」の表で規定されている 4mV で、VREF は、REF ピンと GND1 ピンの間に接続された R1 の両端の電圧です。R1は (VTRIP - VHYS) / IREF = (200mV - 4mV) / 100μA = 1.96kΩ と計算され、E96 シリーズの値 (1% 精度) と一致します。
入力信号をフィルタ処理し、ノイズに対する感度を下げるため、10Ω、1nF の RC フィルタ (R5、C6) をコンパレータの入力に配置します。このフィルタにより、保護回路の総応答時間を計算する際に考慮すべき 10Ω × 1nF = 10ns の伝播遅延が追加されます。そのシステムが追加の遅延に耐えられる場合、ノイズ耐性を高めるためにフィルタ定数を大きくすることを推奨します。
表 8-2 に、この設計の主要パラメータを示します。
パラメータ | 値 |
---|---|
基準抵抗の値 (R1) | 1.96kΩ |
基準コンデンサの値 (C5) | 100nF |
リファレンス電圧 | 196mV |
リファレンス電圧のセトリング・タイム (最終値の 90% まで) | 470μs |
過電流トリップ・スレッショルド (立ち上がり) | 200mV/20.0A |
過電流トリップ・スレッショルド (立ち下がり) | 196mV/19.6A |
短絡電流トリップ・スレッショルド (立ち上がり) | 304mV/30.4A |
短絡電流トリップ・スレッショルド (立ち下がり) | 300mV/30.0A |