JAJSLW9B May 2020 – January 2023 BQ25798
PRODUCTION DATA
この充電器は Narrow VDC パワー・パス・マネージメントをサポートしています。この機能を使うと、システム電圧はバッテリ電圧よりわずかに高い値にレギュレートされ、最小システム電圧を下回ることはありません。最小システム電圧が確保されるため、バッテリが完全に放電した場合または取り外された場合でも、システムは動作できます。システム電圧が入力電源定格を上回った場合、入力電源に過剰な負荷が掛からないように、バッテリ補完モードがシステムの電力要件を補助します。
本デバイスは、レガシー USB アダプタから高電圧 USB PD アダプタ、従来型バレル・アダプタまで、幅広い入力電源からバッテリを充電します。この充電器は、ホスト制御によらず、入力電圧とバッテリ電圧に基づいて降圧、昇圧、昇降圧のいずれかの構成にコンバータを自動的に設定します。デュアル入力電源セレクタは、2 つの異なる入力電源から供給される電力を管理します。入力の選択は、I2C を介してホストが制御することで行われ、デフォルトではプライマリ入力として電源 #1 (VAC1)、セカンダリ入力として電源 #2 (VAC2) が選択されます。
可変高電圧アダプタを使用した高速充電をサポートするため、本デバイスは D+/D- ハンドシェイク機能を備えています。入力電流 / 電圧レギュレーションにより、USB 2.0 および USB 3.0 電力供給 (PD) 仕様に準拠しています。また、入力電流オプティマイザ (ICO) を使うと、未知の入力源の最大電力点を検出できます。BQ25798 では、太陽電池に接続した際に取り出す電力を最適化するため、最大電力点トラッキング (MPPT) アルゴリズムも採用しています。
I2C ホスト制御充電モード以外に、この充電器は自律充電モードもサポートしています。電源投入後、充電はデフォルトのレジスタ設定を使って有効化されます。本デバイスは、ソフトウェアがまったく関与しなくても充電サイクルを完了できます。本デバイスは、各段階 (トリクル充電、予備充電、定電流 (CC) 充電、定電圧 (CV) 充電) でバッテリ電圧を検出しバッテリを充電します。定電圧フェーズにおいて、充電サイクルの終わりに、充電電流があらかじめ設定された制限値 (終了電流) を下回ると、充電器は自動的に停止します。十分に充電されたバッテリが再充電スレッショルドを下回ると、充電器は自動的にまた充電サイクルを開始します。
入力電源の喪失に備えて、バッテリを放電することで VBUS 上に 2.8V~22V の可変電圧を 10mV 刻みで生成する USB On-the-Go (OTG) 機能をこのデバイスはサポートしています。この電圧は、USB PD 3.0 仕様で定義されているプログラマブル電源 (PPS) 機能に準拠しています。BQ25798 は、アダプタが取り外された際に可変 OTG 電圧を使って PMID のシステム負荷に電力を供給するためのバックアップ・モードも備えています。
この充電器は、バッテリ温度の NTC サーミスタ監視、トリクル充電、予備充電および高速充電タイマ、バッテリと入力の過電圧 / 過電流保護など、バッテリ充電とシステム動作のための各種安全機能を備えています。サーマル・レギュレーションにより、接合部温度がプログラム可能なスレッショルドを超えると充電電流が低減されます。本デバイスの STAT 出力は、充電ステータスとすべてのフォルト状態を報告します。フォルトが発生すると、INT ピンにより即座にホストへ通知されます。
本デバイスは 29 ピンの 4mm × 4mm QFN パッケージで供給されます。