JAJSUV5A June   2024  – August 2024 DLPA3085

PRODUCTION DATA  

  1.   1
  2. 特長
  3. アプリケーション
  4. 概要
  5. ピン構成および機能
  6. 仕様
    1. 5.1 絶対最大定格
    2. 5.2 ESD 定格
    3. 5.3 推奨動作条件
    4. 5.4 熱に関する情報
    5. 5.5 電気的特性
    6. 5.6 SPI タイミング パラメータ
  7. 詳細説明
    1. 6.1 概要
    2. 6.2 機能ブロックの説明
    3. 6.3 機能説明
      1. 6.3.1 電源および監視
        1. 6.3.1.1 電源
        2. 6.3.1.2 監視
          1. 6.3.1.2.1 ブロック フォルト
          2. 6.3.1.2.2 自動 LED オフ機能
          3. 6.3.1.2.3 過熱保護
      2. 6.3.2 照明
        1. 6.3.2.1 プログラマブル ゲイン ブロック
        2. 6.3.2.2 LDO 照明
        3. 6.3.2.3 照明ドライバ A
        4. 6.3.2.4 RGB ストローブ デコーダ
          1. 6.3.2.4.1 ブレイク ビフォー メイク (BBM)
          2. 6.3.2.4.2 開ループ電圧
          3. 6.3.2.4.3 過渡電流制限
        5. 6.3.2.5 照明監視
          1. 6.3.2.5.1 パワー グッド
          2. 6.3.2.5.2 レシオメトリック過電圧保護
        6. 6.3.2.6 照明ドライバとパワー FET の効率
      3. 6.3.3 外付けパワー FET の選択
        1. 6.3.3.1 スレッショルド電圧
        2. 6.3.3.2 ゲート電荷およびゲートのタイミング
        3. 6.3.3.3 RDS(ON)
      4. 6.3.4 DMD 電源
        1. 6.3.4.1 LDO DMD
        2. 6.3.4.2 DMD HV レギュレータ
        3. 6.3.4.3 DMD / DLPC 降圧コンバータ
        4. 6.3.4.4 DMD 監視
          1. 6.3.4.4.1 パワー グッド
          2. 6.3.4.4.2 過電圧フォルト
      5. 6.3.5 降圧コンバータ
        1. 6.3.5.1 LDO 降圧
        2. 6.3.5.2 汎用降圧コンバータ
        3. 6.3.5.3 降圧コンバータの監視
          1. 6.3.5.3.1 パワー グッド
          2. 6.3.5.3.2 過電圧フォルト
        4. 6.3.5.4 降圧コンバータの効率
      6. 6.3.6 補助 LDO
      7. 6.3.7 測定システム
    4. 6.4 デバイスの機能モード
    5. 6.5 プログラミング
      1. 6.5.1 SPI
      2. 6.5.2 割り込み
      3. 6.5.3 フォルト発生時の高速シャットダウン
    6. 6.6 レジスタ マップ
  8. アプリケーションと実装
    1. 7.1 アプリケーション情報
    2. 7.2 代表的なアプリケーション
      1. 7.2.1 設計要件
      2. 7.2.2 詳細な設計手順
        1. 7.2.2.1 汎用降圧コンバータの部品選定
      3. 7.2.3 アプリケーション曲線
    3. 7.3 DLPA3085 内部ブロック図を含むシステム例
  9. 電源に関する推奨事項
    1. 8.1 パワーアップおよびパワーダウン タイミング
  10. レイアウト
    1. 9.1 レイアウトのガイドライン
      1. 9.1.1 SPI の接続
      2. 9.1.2 RLIM のルーティング
      3. 9.1.3 LED 接続
    2. 9.2 レイアウト例
    3. 9.3 熱に関する注意事項
  11. 10デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 10.1 サード・パーティ製品に関する免責事項
    2. 10.2 デバイス サポート
      1. 10.2.1 デバイス命名規則
    3. 10.3 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    4. 10.4 サポート・リソース
    5. 10.5 商標
    6. 10.6 静電気放電に関する注意事項
    7. 10.7 用語集
  12. 11改訂履歴
  13. 12メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

熱に関する注意事項

低プロファイルでファイン ピッチの表面実装パッケージの IC を実装する場合は、消費電力を考慮する必要があります。熱結合、空気流、ヒートシンクや対流伝熱面の追加、熱を発生する他の部品の存在など、システムに関連する多くの問題が消費電力に影響を及ぼします。一般に、熱性能を向上させるために使用できる 3 つの基本的な方法があります。

  • PCBのヒートシンク能力の向上
  • パッケージ上にヒートシンク能力を追加または強化することによる、チップ環境に対する熱抵抗の低減
  • システム内の空気流の追加または増加

LED に供給される電力は 50W を超えることがあり、DLPA3085 が消費する電力はかなり大きい場合があります。DLPA3085 を適切に動作させるために、DLPA3085 アプリケーションにおける熱に関する考慮事項の概要を以下に示します。

DLPA3085 の推奨接合部温度は、動作中 120°C 未満です。接合部温度 T junctionに関係する式は次のとおりです。

式 13. DLPA3085

ここで、Tambient は周囲温度、Pdissは合計消費電力、RθJA は接合部から周囲への熱抵抗です。

合計消費電力は DLPA3085 のアプリケーションによって異なる場合があります。DLPA3085 での主な寄与要因は通常、次のとおりです。

  • 降圧コンバータ
  • LDO

降圧コンバータについては、消費電力は次の式で与えられます。

式 14. DLPA3085

ここで、ηbuck は降圧コンバータの効率、Pin は降圧コンバータの入力に供給される電力、Pout は降圧コンバータの負荷に供給される電力です。降圧コンバータ PWR1、2、6 については、図 6-16 の曲線を使用して効率を決定できます。

LDO については、消費電力は次の式で与えられます。

式 15. DLPA3085

ここで、Vin は入力電源電圧、Vout は LDO の出力電圧、Iload は LDO の負荷電流です。LDO の電圧降下 (Vin- Vout) は、比較的大きくなる可能性があります。小さい負荷電流でも、大きい消費電力が発生する可能性があります。このような状況では、汎用降圧コンバータを使用する方がより効率的なソリューションになります。

LDO DMD は昇圧コンバータに電力を供給し、昇圧コンバータは DMD に高電圧、すなわち VBIAS、VOFS、VRST を供給します。これらのラインの電流負荷は、I load, max = 10mA まで増加する可能性があります。昇圧コンバータの効率 ηboost が 80% であると仮定すると、昇圧コンバータの最大消費電力 Pdiss_DMD_boost, max は、次のように計算できます。

式 16. DLPA3085

照明降圧コンバータの消費電力と比較して、昇圧コンバータの消費電力は無視できる範囲です。ただし、電源電圧が高い場合は、LDO DMD の消費電力、Pdiss_LDO_DMD を考慮する必要があります。LDO のワーストケースの負荷電流は、次の式で求められます。

式 17. DLPA3085

ここで、LDO の出力電圧は、VDRST_5P5V = 5.5V です 。

入力電源電圧が 19.5V の場合、LDO DMD のワーストケースの消費電力は約 1.5W です。お客様の特定のアプリケーションについては、LDO の電流レベルを確認してください。したがって、DLPA3085 の合計消費電力は次のように表現できます。

式 18. Pdiss_DLPA3085=Pbuck_converter+PLDOs

以下の例では、既知の情報に基づいて最大周囲温度と接合部温度を計算します。

合計消費電力 Pdiss_DLPA3085= 2.5W、Tjunction,max= 120°C、RθJA= 7°C/W (セクション 5.4 参照) と仮定すると最大周囲温度は、式 13 を使って次のように計算できます。

式 19. DLPA3085

全消費電力と周囲温度が次の式で表されるとすれば、

式 20. Tambient= 50°C, RθJA= 7°C/W, Pdiss_DLPA3085= 4W.

接合部温度は次のように計算できます。

式 21. DLPA3085

周囲温度と DLPA3085 の総消費電力の組み合わせで許容可能な接合部温度、すなわち < 120°C にならない場合、2 つのアプローチがあります。

  1. より大きいヒートシンクの使用または空気流の増加により RθJA を低減する
  2. DLPA3085の消費電力を低減する。
    • 内部の汎用降圧コンバータの代わりに、外部降圧コンバータを使用。
    • 降圧コンバータの負荷電流を低減する。