JAJSNT6C December 2021 – August 2022 DRV8243-Q1
PRODUCTION DATA
このデバイスは、オプションとして、固定 TOFF 時間方式による内部負荷電流レギュレーション機能を備えています。その方法としては、ITRIP 設定で決まる基準電圧と IPROPI ピンの電圧を比較します。TOFF 時間は、HW バリアントの場合は 30µsec に固定されています。SPI バリアントの場合は CONFIG3 レジスタの TOFF_SEL ビットを使用して、 20~50µsec の範囲で設定できます。
ITRIP レギュレーションが有効に設定されている場合、HS FET がイネーブルされて電流センシングが可能なときのみ動作します。このシナリオでは、IPROPI ピンの電圧が ITRIP 設定で決まる基準電圧を超えた場合、内部電流レギュレーション・ループによって強制的に以下の動作が行われます。
電流制限は、次の式で設定されます。
独立モードでは、ITRIP レギュレーションは IPROPI ピンの 2 つのハーフブリッジ電流の合計に基づくため、 同時に 2 つのハーフブリッジに対して、電流レギュレーションを完全に個別に行うことはできません。
ITRIP コンパレータ出力 (ITRIP_CMP) は、負荷容量からの電流スパイクによるコンパレータ出力の誤トリガを回避するため、出力スルーイング中は無視されます。また、ローサイド還流から移行する場合は、ITRIP コンパレータの出力が有効になる前にセンス・ループが安定するように、追加のブランキング時間 tBLANK が必要です。
HW バリアントでは、ITRIP に 6 レベルの設定があります。SPI バリアントでは、さらに 2 つの設定があります。これを以下の表にまとめます。
ITRIP ピン | S_ITRIP レジスタ・ビット | VITRIP [V] |
---|---|---|
RLVL1OF6 | 3'b000 | レギュレーション無効 |
RLVL2OF6 | 3'b001 | 1.18 |
使用不可 | 3'b010 | 1.41 |
使用不可 | 3'b011 | 1.65 |
RLVL3OF6 | 3'b100 | 1.98 |
RLVL4OF6 | 3'b101 | 2.31 |
RLVL5OF6 | 3'b110 | 2.64 |
RLVL6OF6 | 3'b111 | 2.97 |
HW バリアントでは、ITRIP ピンの変更は透過的で、変更はただちに反映されます。
SPI バリアントでは、SPI 通信が利用可能なときに S_ITRIP ビットに書き込むことによって、いつでも ITRIP 設定を変更できます。この変更は、デバイスの動作にただちに反映されます。
SPI バリアントのみ - ITRIP レギュレーション・レベルに達すると、STATUS1 レジスタの ITRIP_CMP ビットがセットされます。nFAULT ピンでの通知はありません。このビットは、CLR_FLT コマンドによってクリアできます。