JAJSD42B February 2017 – December 2017 DRV8320 , DRV8320R , DRV8323 , DRV8323R
PRODUCTION DATA.
TDRIVEコンポーネントは、統合されたゲート駆動ステート・マシンであり、ハイサイドおよびローサイド・ゲート・ドライバ間でのハンドシェークによる自動デッド・タイム挿入、寄生成分によるdV/dtゲート・ターンオンの防止、MOSFETゲート障害検出といった機能を備えています。
TDRIVEステート・マシンの最初の構成要素は自動デッド・タイム挿入です。デッド・タイムとは、外部ハイサイドMOSFETとローサイドMOSFETのスイッチング間隔であり、MOSFET間のクロス導通とそれによる貫通電流の発生を防止することを目的としています。DRV832xファミリのデバイスは、固定の時間値を使用するのではなく、VGS電圧監視を使用してMOSFETゲート-ソース間電圧を測定することにより、スイッチングの適切なタイミングを決定します。この機能により、ゲート・ドライバのデッド・タイムを、温度ドリフトなどのシステム内の変化やMOSFETパラメータの変動に合わせて調整できます。追加のデジタル・デッド・タイム(tDEAD)を挿入することもでき、SPIデバイスのレジスタを介して調整できます。
TDRIVEステート・マシンの2つ目の構成要素は、寄生成分によるdV/dtゲート・ターンオンの防止です。これを実装するため、TDRIVEステート・マシンには、MOSFETのスイッチングが行われるたびに反対側のMOSFETゲートに強いプルダウン電流(ISTRONG)を流す機能が用意されています。この強いプルダウンはTDRIVE期間全体にわたって発生します。この機能は、電圧ハーフブリッジ・スイッチ・ノードのスルー・レートが高い場合にMOSFETゲートに結合する寄生電荷を除去するのに役立ちます。
TDRIVEステート・マシンの3つ目の構成要素には、ピン間の半田付け不良、MOSFETゲート障害、MOSFETゲートでの電圧のHigh固着またはLow固着状態を検出するためのゲート障害検出機能が実装されています。この検出機能は、各ハーフブリッジ・ゲート・ドライバのVGSゲート-ソース間電圧監視とともに実行されます。ハーフブリッジの状態を変更するコマンドを受け取ると、ゲート・ドライバは外部MOSFETのゲート電圧の監視を開始します。VGS電圧がtDRIVE期間の終了時に適切なスレッショルドに達していない場合、ゲート・ドライバは障害を通知します。障害が誤って検出されないように、MOSFETゲートの充電または放電に必要な時間より長いtDRIVE時間を選択する必要があります。tDRIVE時間によってPWM時間が延長されることはなく、アクティブ時に別のPWMコマンドを受け取った場合はその時点で終了します。TDRIVE設定の詳細については、SPIデバイスの場合は「レジスタ・マップ」セクション、ハードウェア・インターフェイス・デバイスの場合は「ピン配置」セクションを参照してください。
Figure 27 は、TDRIVEステート・マシンの動作例を示しています。