JAJSJP6B August 2018 – August 2021 DRV8350F , DRV8353F
PRODUCTION DATA
ハイサイド・ゲート駆動の電源電圧は、VM および VDRAIN 電源入力で動作するダブラー・チャージ・ポンプを使って生成されます。このチャージ・ポンプにより、ゲート・ドライバは幅広い入力電源電圧範囲にわたってハイサイド MOSFET のゲート - ソース間に適切な電圧を印加できます。チャージ・ポンプは、VVDRAIN + 10.5V の固定出力電圧を維持し、25mA の平均出力電流に対応できるようレギュレートされます。VVM が 12V 未満の場合、チャージ・ポンプは完全ダブラー・モードで動作し、VVDRAIN を基準として VVCP = 2 × VVM – 1.5V (無負荷時) を生成します。MOSFET の駆動不足を防止するため、チャージ・ポンプが低電圧になっていないかが継続的に監視されます。
このチャージ・ポンプには、VDRAIN ピン - VCP ピン間の蓄積コンデンサとして、X5R または X7R、1µF、16V のセラミック・コンデンサが必要です。また、CPH ピン - CPL ピン間には、フライング・コンデンサとして、X5R または X7R、47nF、VDRAIN 定格のセラミック・コンデンサが必要です。
ローサイド・ゲート駆動電圧は、VM 電源電圧入力によって動作するリニア・レギュレータを使用して生成されます。VGLS リニア・レギュレータにより、ゲート・ドライバはグランドを基準としてローサイド MOSFET ゲートを正確にバイアスできます。VGLS リニア・レギュレータの出力は 14.5V に固定され、動作中の GLx 出力では 11V にさらに調整されます。VGLS レギュレータは 25mA の出力電流をサポートしています。MOSFET の駆動不足を防止するため、VGLS リニア・レギュレータは低電圧にならないように監視されます。VGLS リニア・レギュレータには、VGLS と GND の間に X5R または X7R、1µF、16V のセラミック・コンデンサが必要です。
チャージ・ポンプ出力は VVDRAIN + 10.5V にレギュレートされるため、高電圧モータ電源 (最大 75V) から直接 VM に電力を供給することも、スイッチングまたはリニア・レギュレータから生成された低電圧ゲート・ドライバ電源から VM に電力を供給することもできます。前者ではシングル電源システムに対応でき、後者ではデバイス効率を向上させ、外部から供給される電源を利用できます。図 8-13 と図 8-14 に、シングル電源構成とデュアル電源構成の DRV835xF の例を示します。