JAJSJP6B August   2018  – August 2021 DRV8350F , DRV8353F

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. デバイス比較表
  6. ピン構成と機能
    1.     ピン機能 — 32 ピン DRV8350F デバイス
    2.     8
    3.     ピン機能 — 40 ピン DRV8353F デバイス
    4.     10
  7. 仕様
    1. 7.1 絶対最大定格
    2. 7.2 ESD 定格
    3. 7.3 推奨動作条件
    4. 7.4 熱に関する情報
    5. 7.5 電気的特性
    6. 7.6 SPI のタイミング要件
    7. 7.7 代表的特性
  8. 詳細説明
    1. 8.1 概要
    2. 8.2 機能ブロック図
    3. 8.3 機能説明
      1. 8.3.1 3 相スマート・ゲート・ドライバ
        1. 8.3.1.1 PWM 制御モード
          1. 8.3.1.1.1 6x PWM モード (PWM_MODE = 00b または MODE ピンを AGND に接続)
          2. 8.3.1.1.2 3x PWM モード (PWM_MODE = 01b または MODE ピンを 47kΩ の抵抗を介して AGND に接続)
          3. 8.3.1.1.3 1x PWM モード (PWM_MODE = 10b または MODE ピン = Hi-Z)
          4. 8.3.1.1.4 独立 PWM モード (PWM_MODE = 11b または MODE ピンを DVDD に接続)
        2. 8.3.1.2 デバイス・インターフェイス・モード
          1. 8.3.1.2.1 シリアル・ペリフェラル・インターフェイス (SPI)
          2. 8.3.1.2.2 ハードウェア・インターフェイス
        3. 8.3.1.3 ゲート・ドライバ電源と入力電源の構成
        4. 8.3.1.4 スマート・ゲート・ドライブ・アーキテクチャ
          1. 8.3.1.4.1 IDRIVE:MOSFET スルーレート制御
          2. 8.3.1.4.2 TDRIVE:MOSFET ゲート駆動制御
          3. 8.3.1.4.3 伝搬遅延
          4. 8.3.1.4.4 MOSFET VDS 監視
          5. 8.3.1.4.5 VDRAIN 検出および基準電圧ピン
      2. 8.3.2 DVDD リニア電圧レギュレータ
      3. 8.3.3 ピン構造図
      4. 8.3.4 ローサイド電流シャント・アンプ (DRV8353F)
        1. 8.3.4.1 双方向電流検出の動作
        2. 8.3.4.2 単方向電流検出の動作 (SPI のみ)
        3. 8.3.4.3 アンプの較正モード
        4. 8.3.4.4 MOSFET VDS 検出モード (SPI のみ)
      5. 8.3.5 ゲート・ドライバ保護回路
        1. 8.3.5.1 VM 電源および VDRAIN 低電圧誤動作防止 (UVLO)
        2. 8.3.5.2 VCP チャージ・ポンプと VGLS レギュレータの低電圧誤動作防止 (GDUV)
        3. 8.3.5.3 MOSFET VDS 過電流保護 (VDS_OCP)
          1. 8.3.5.3.1 VDS ラッチ・シャットダウン (OCP_MODE = 00b)
          2. 8.3.5.3.2 VDS 自動リトライ (OCP_MODE = 01b)
          3. 8.3.5.3.3 VDS 通知のみ (OCP_MODE = 10b)
          4. 8.3.5.3.4 VDS ディスエーブル (OCP_MODE = 11b)
        4. 8.3.5.4 VSENSE 過電流保護 (SEN_OCP)
          1. 8.3.5.4.1 VSENSE ラッチ・シャットダウン (OCP_MODE = 00b)
          2. 8.3.5.4.2 VSENSE 自動リトライ (OCP_MODE = 01b)
          3. 8.3.5.4.3 VSENSE 通知のみ (OCP_MODE = 10b)
          4. 8.3.5.4.4 VSENSE ディスエーブル (OCP_MODE = 11b または DIS_SEN = 1b)
        5. 8.3.5.5 ゲート・ドライバのフォルト (GDF)
        6. 8.3.5.6 過電流ソフト・シャットダウン (OCP ソフト)
        7. 8.3.5.7 過熱警告 (OTW)
        8. 8.3.5.8 サーマル・シャットダウン (OTSD)
        9. 8.3.5.9 フォルト応答表
    4. 8.4 デバイスの機能モード
      1. 8.4.1 ゲート・ドライバの機能モード
        1. 8.4.1.1 スリープ・モード
        2. 8.4.1.2 動作モード
        3. 8.4.1.3 フォルト・リセット (CLR_FLT または ENABLE リセット・パルス)
    5. 8.5 プログラミング
      1. 8.5.1 SPI 通信
        1. 8.5.1.1 SPI
          1. 8.5.1.1.1 SPI フォーマット
    6. 8.6 レジスタ・マップ
      1. 8.6.1 ステータス・レジスタ
        1. 8.6.1.1 フォルト・ステータス・レジスタ 1 (アドレス = 0x00h)
        2. 8.6.1.2 フォルト・ステータス・レジスタ 2 (アドレス = 0x01h)
      2. 8.6.2 制御レジスタ
        1. 8.6.2.1 ドライバ制御レジスタ (アドレス = 0x02h)
        2. 8.6.2.2 ゲート駆動 HS レジスタ (アドレス = 0x03h)
        3. 8.6.2.3 ゲート駆動 LS レジスタ (アドレス = 0x04h)
        4. 8.6.2.4 OCP 制御レジスタ (アドレス = 0x05h)
        5. 8.6.2.5 CSA 制御レジスタ (DRV8353F のみ) (アドレス = 0x06h)
        6. 8.6.2.6 ドライバ構成レジスタ (DRV8353F のみ) (アドレス = 0x07h)
  9. アプリケーションと実装
    1. 9.1 アプリケーション情報
    2. 9.2 代表的なアプリケーション
      1. 9.2.1 主要アプリケーション
        1. 9.2.1.1 設計要件
        2. 9.2.1.2 詳細な設計手順
          1. 9.2.1.2.1 外部 MOSFET のサポート
            1. 9.2.1.2.1.1 MOSFET の例
          2. 9.2.1.2.2 IDRIVE の設定
            1. 9.2.1.2.2.1 IDRIVE の例
          3. 9.2.1.2.3 VDS 過電流監視の設定
            1. 9.2.1.2.3.1 VDS 過電流の例
          4. 9.2.1.2.4 検出アンプの双方向設定 (DRV8353F)
            1. 9.2.1.2.4.1 検出アンプの例
          5. 9.2.1.2.5 シングル電源の消費電力
          6. 9.2.1.2.6 シングル電源の消費電力の例
        3. 9.2.1.3 アプリケーション曲線
      2. 9.2.2 代替アプリケーション
        1. 9.2.2.1 設計要件
        2. 9.2.2.2 詳細な設計手順
          1. 9.2.2.2.1 検出アンプの単方向設定
            1. 9.2.2.2.1.1 検出アンプの例
            2. 9.2.2.2.1.2 デュアル電源の消費電力
            3. 9.2.2.2.1.3 デュアル電源の消費電力の例
  10. 10電源に関する推奨事項
    1. 10.1 バルク容量の決定
  11. 11レイアウト
    1. 11.1 レイアウトの注意点
    2. 11.2 レイアウト例
  12. 12デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 12.1 デバイスのサポート
      1. 12.1.1 デバイス命名規則
    2. 12.2 ドキュメントのサポート
      1. 12.2.1 関連資料
    3. 12.3 関連リンク
    4. 12.4 Receiving Notification of Documentation Updates
    5. 12.5 サポート・リソース
    6. 12.6 商標
    7. 12.7 Electrostatic Discharge Caution
    8. 12.8 Glossary
  13. 13メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報
TDRIVE:MOSFET ゲート駆動制御

TDRIVE コンポーネントは、スイッチング・ハンドシェイク中のデッド・タイムの自動挿入、寄生 dV/dt ゲート・ターンオン防止、MOSFET ゲート・フォルト検出を行う内蔵ゲート駆動ステート・マシンです。

TDRIVE ステート・マシンの第 1 の構成要素は自動デッド・タイム挿入です。デッド・タイムとは、外部ハイサイド MOSFET とローサイド MOSFET のスイッチング間隔であり、MOSFET 間のクロス導通とそれによる貫通電流の発生を防止することを目的としています。DRV835xF ファミリのデバイスは、固定の時間値を使用するのではなく、VGS 電圧監視を使用して MOSFET ゲート - ソース間電圧を測定することにより、スイッチングの適切なタイミングを決定します。この機能により、ゲート・ドライバのデッド・タイムを、温度ドリフトなどのシステム内の変化や MOSFET パラメータの変動に合わせて調整できます。追加のデジタル・デッド・タイム (tDEAD) を挿入することもでき、SPI デバイスのレジスタを介して調整できます。

位相電流が外部ハーフブリッジに流入しており、ゲート・ドライバがハイサイド MOSFET オンからローサイド MOSFET オンに遷移しつつある場合、デッド・タイムの自動挿入には限界があります。この場合、ハイサイド・ダイオードがデッド・タイム中に導通し、スイッチ・ノード電圧を VDRAIN に保持します。この場合、約 100~200ns の遅延がデッド・タイムのハンドシェイクに追加されます。これは、内部 VGS 検出回路に現れる電圧を放電する必要性のために行われます。

第 2 の構成要素は、寄生 dV/dt ゲート・ターンオン防止を目的としています。これを実装するため、TDRIVE ステート・マシンには、MOSFET のスイッチングが行われるたびに反対側の MOSFET ゲートに強プルダウン電流 (ISTRONG) を流す機能が用意されています。この強いプルダウンは TDRIVE 期間全体にわたって持続します。この機能は、ハーフブリッジ・スイッチ・ノード電圧のスルーレートが高い場合に外部 MOSFET ゲートにカップリングする寄生電荷を除去するのに役立ちます。

第 3 の構成要素は、ピン間の半田付け不良、MOSFET ゲートの故障、MOSFET ゲートが High または Low に固着した電圧条件を検出するためのゲート・フォルト検出機能を実装しています。この検出機能は、各ハーフブリッジ・ゲート・ドライバの VGS ゲート - ソース間電圧監視とともに実行されます。ハーフブリッジの状態を変更するコマンドを受け取ると、ゲート・ドライバは外部 MOSFET のゲート電圧の監視を開始します。tDRIVE 期間の終了時に VGS 電圧が適切なスレッショルドに達しなかった場合、ゲート・ドライバはフォルトを報告します。フォルトが誤って検出されないように、MOSFET ゲートの充電または放電に必要な時間より長い tDRIVE 時間を選択する必要があります。tDRIVE 時間によって PWM 時間が延長されることはなく、アクティブ時に別の PWM コマンドを受け取った場合はその時点で終了します。TDRIVE 設定の詳細については、SPI デバイスの場合は「Topic Link Label8.6」セクション、ハードウェア・インターフェイス・デバイスの場合は「Topic Link Label8.3.3」セクションを参照してください。

図 8-16 に、TDRIVE ステート・マシンの動作例を示します。

GUID-A20A0732-419C-4C77-BB86-DD8F350C11C4-low.gif図 8-16 TDRIVE ステート・マシン