JAJSHH8B August 2019 – January 2021 DRV8874-Q1
PRODUCTION DATA
DRV887x-Q1 ファミリは、固定オフ時間またはサイクル単位の PWM 電流チョッピング方式による電流レギュレーション回路を内蔵しています。電流チョッピング方式は IMODE クワッドレベル入力で選択できます。これにより、モータ・ストール、高トルク、その他の大電流負荷イベント時に出力電流を制限できます。
IMODE レベルは、ピンをフローティング (Hi-Z) 状態にする方法、ピンを GND に接続する方法、IMODE と GND の間に抵抗を接続する方法のいずれかで設定できます。IMODE ピンの状態は、nSLEEP ピンでデバイスをイネーブルした際にラッチされます。IMODE の状態を変更するには、nSLEEP ピンを論理 Low にし、tSLEEP 時間待機して、IMODE ピンの入力を変更し、nSLEEP ピンを論理 High に戻してデバイスをイネーブルします。IMODE 入力は、過電流イベントに対するデバイスの応答を選択するためにも使用します。詳細については、「Topic Link Label7.3.4」を参照してください。
IPROPI を GND に接続し、VREF ピンの電圧を GND より高く設定することで内部電流レギュレーション機能を無効にできます (電流帰還が不要の場合)。電流帰還が必要でありかつ電流レギュレーションが不要である場合、VIPROPI が VVREF スレッショルドに到達することがないように VVREF と RIPROPI を設定します。電流レギュレーション回路を正常に動作させるには、「推奨動作条件」表に規定されている VREF ピン電圧の範囲内に VVREF が入っている必要があります。独立ハーフブリッジ制御モード (PMODE = Hi-Z) の場合、出力が独立して動作し、電流検出およびレギュレーションがハーフブリッジ間で共有されるため、内部電流レギュレーション回路は自動的にディスエーブルされます。
IMODE の状態 | IMODE の機能 | nFAULT 応答 | ||
---|---|---|---|---|
電流チョッピング・モード | 過電流 応答 | |||
クワッドレベル 1 | IMODE = GND | 固定オフ時間 | 自動リトライ | 過電流のみ |
クワッドレベル 2 | RIMODE = 20kΩ (対 GND) | サイクル単位 | 自動リトライ | 電流チョッピングおよび過電流 |
クワッドレベル 3 | RIMODE = 62kΩ (対 GND) | サイクル単位 | 出力をオフにラッチ | 電流チョッピングおよび過電流 |
クワッドレベル 4 | IMODE = Hi-Z | 固定オフ時間 | 出力をオフにラッチ | 過電流のみ |
電流チョッピング・スレッショルド (ITRIP) は、VREF 電圧 (VVREF) と IPROPI 出力抵抗 (RIPROPI) の組み合わせにより設定されます。具体的には、内部コンパレータを使用して、外付け RIPROPI 抵抗両端の電圧降下を VVREF と比較します。
たとえば、VVREF = 2.5V、RIPROPI = 1500Ω、AIPROPI = 450μA/A の場合、ITRIP は約 3.7A となります。
ITRIP スレッショルドを超えると、IMODE 設定に従って、出力は電流チョッピング・モードに移行します。ITRIP コンパレータには、ブランキング時間 (tBLK) とグリッチ除去時間 (tDEG) があります。内部ブランキング時間は、出力切替時の電圧および電流過渡事象が電流レギュレーションに影響を与えないようにするのに役立ちます。これらの過渡現象はモータ内部のコンデンサにより発生することがあり、またはモータ端子への接続で発生することがあります。内部グリッチ除去時間により、過渡条件が電流レギュレーションを通常より早くトリガすることを防止します。過渡条件がグリッチ除去時間より長く続く場合、10nF のコンデンサを IPROPI ピンに (DRV887x-Q1 に近付けて) 接続することで、IPROPI 出力の過渡現象をフィルタ処理し、電流レギュレーションが通常より早くトリガされるのを防止できます。コンデンサの値は必要に応じて調整できますが、コンデンサの値が大きいと、電流レギュレーション回路の応答が遅くなる場合があります。
「電気的特性」表の AERR パラメータは、AIPROPI ゲインに関連する誤差です。この誤差は、IOUT 電流に加算されたオフセット誤差とゲイン誤差の複合的な影響を示しています。