8.2.1.2.3 熱性能
データシートに規定する接合部から周囲への熱抵抗 RθJA は、おもに各種ドライバの比較または熱性能の概算に役立ちます。しかし、実際のシステム性能は、PCB 層形成 (スタックアップ)、配線、ビア数、サーマル・パッド周りの銅面積に応じて、この値よりも良くなったり、悪くなったりします。ドライバが特定の電流を駆動する時間の長さもまた、消費電力や熱性能に影響を与えます。ここでは、定常および過渡熱条件での設計方法について考察します。
このセクションのデータは、次の基準を使用してシミュレーションしたものです。
- 2 層 PCB、標準 FR4、1oz (35µm 銅箔厚) または 2oz 銅箔厚。
- 上層:DRV887x HTSSOP パッケージ・フットプリントと銅プレーン・ヒートシンク。
- 下層:DRV887x の下に小さな銅パッドを設け、ビアで熱的に接続した信号層。下層のサーマル・パッドはパッケージと同じサイズ (5mm x 4.4mm)。上層の銅プレーンが変化しても、下層のパッドのサイズは一定。サーマル・ビアはサーマル・パッドの下にのみ配置 (1.2mm 間隔のグリッド・パターン)。
- 4 層 PCB、標準 FR4。外側のプレーンは 1oz (35µm 銅箔厚) または 2oz 銅箔厚。
- 上層:DRV887x HTSSOP パッケージ・フットプリントと銅プレーン・ヒートシンク。内側のプレーンは 1oz で一定。
- 中間層 1:ビアを使用して GND プレーンをパッドに熱的に接続。
- 中間層 2:電源プレーン、熱的接続なし。
- 下層:DRV887x の下に小さな銅パッドを設け、上層および内部 GND プレーンから打ったビアで熱的に接続した信号層。下層のサーマル・パッドはパッケージと同じサイズ (5mm x 4.4mm)。上層の銅プレーンが変化しても、下層のパッドのサイズは一定。サーマル・ビアはサーマル・パッドの下にのみ配置 (1.2mm 間隔のグリッド・パターン)。
Figure 19 に、シミュレーションした基板の例を示します。Table 9 に、各シミュレーションで変化させた基板の寸法を示します。
Table 9. 16 ピン PWP パッケージの寸法 A
銅 (Cu) 面積 (mm2) |
寸法 A |
2 |
17.0 |
4 |
22.8 |
8 |
31.0 |
16 |
42.8 |
32 |
59.5 |
48 |
72.2 |