JAJSL86A January   2021  – May 2022 DRV8935

PRODUCTION DATA  

  1.   1
  2. 特長
  3. アプリケーション
  4. 概要
  5. 改訂履歴
  6. ピン構成および機能
    1.     ピン機能
  7. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報
    5. 6.5 電気的特性
    6. 6.6 代表的特性
  8. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 機能説明
      1. 7.3.1 ブリッジ制御と電流レギュレーション
      2. 7.3.2 ディケイ・モード
        1. 7.3.2.1 ブランキング時間
      3. 7.3.3 チャージ・ポンプ
      4. 7.3.4 リニア電圧レギュレータ
      5. 7.3.5 論理およびクワッドレベル・ピン構造図
      6. 7.3.6 nFAULT ピン
      7. 7.3.7 保護回路
        1. 7.3.7.1 VM 低電圧誤動作防止 (UVLO)
        2. 7.3.7.2 VCP 低電圧誤動作防止 (CPUV)
        3. 7.3.7.3 過電流保護 (OCP)
        4. 7.3.7.4 サーマル・シャットダウン (OTSD)
        5. 7.3.7.5 フォルト条件のまとめ
    4. 7.4 デバイスの機能モード
      1. 7.4.1 スリープ・モード (nSLEEP = 0)
      2. 7.4.2 動作モード (nSLEEP = 1)
      3. 7.4.3 nSLEEP リセット・パルス
      4. 7.4.4 機能モードのまとめ
  9. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 設計要件
      2. 8.2.2 詳細な設計手順
        1. 8.2.2.1 電流レギュレーション
      3. 8.2.3 消費電力の計算とアプリケーション曲線
  10. 電源に関する推奨事項
    1. 9.1 バルク・コンデンサ
  11. 10レイアウト
    1. 10.1 レイアウトのガイドライン
    2. 10.2 レイアウト例
  12. 11デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 11.1 ドキュメントのサポート
      1. 11.1.1 関連資料
    2. 11.2 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    3. 11.3 コミュニティ・リソース
    4. 11.4 商標
  13. 12メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

消費電力の計算とアプリケーション曲線

本デバイスの出力電流および消費電力特性は、PCB 設計と外部条件に大きく依存します。ここでは、これらの値を計算するための指針を提示します。

本デバイスの総消費電力 (PTOT) は、おもに 3 つの要素から成ります。それらは、パワー MOSFET RDS(ON) (導通)損失、パワー MOSFET スイッチング損失、および電源静止電流損失です。それ以外の要素が電力損失の増加に影響することもありますが、この 3 つの主要な要素に比べると通常わずかです。

PTOT = PCOND + PSW + PQ

VM に接続される負荷について、すべての出力に同じ電流が負荷されていると仮定すると、合計導通損失は次のように表すことができます。

PCOND = 4 x (IOUT)2 x RDS(ONL)

DRV8935 のハイサイド MOSFET とローサイド MOSFET はオン抵抗が同じなため、伝導損失は入力 PWM のデューティ・サイクルや PWM オフ時間の長さには依存しません。RDS(ON) はデバイス温度と強い相関があることに注意する必要があります。正規化した RDS(on) と温度との関係を示す曲線については、「代表的特性」の曲線を参照してください。

PCOND = 4 x (1.5A)2 x 0.165Ω = 1.485W

PSW は、公称電源電圧 (VM)、安定化出力電流 (IOUT)、スイッチング周波数 (fPWM)、デバイス出力立ち上がり (tRISE) / 立ち下がり (tFALL) 時間の仕様から計算できます。

4 つの出力すべてが同時にスイッチングされていると仮定します。

PSW = 4 x (PSW_RISE + PSW_FALL)

PSW_RISE = 0.5 x VM x IOUT x tRISE x fPWM

PSW_FALL = 0.5 x VM x IOUT x tFALL x fPWM

PSW_RISE = 0.5 x 24V x 1.5A x 100ns x 40kHz = 0.072W

PSW_FALL = 0.5 x 24V x 1.5A x 100ns x 40kHz = 0.072W

PSW = 4 x (0.072W + 0.072W) = 0.576W

PQ は、公称電源電圧 (VM) と IVM アクティブ・モード電流の仕様から計算できます。

PQ = VM x IVM = 24V x 5mA = 0.12W

全消費電力 (PTOT) は導通損失、スイッチング損失、静止電力損失の合計として計算されます。

PTOT = PCOND + PSW + PQ = 1.485W + 0.576W + 0.12W = 2.181W

周囲温度が TA、総消費電力 (PTOT) の場合、接合部温度 (TJ) は次のように計算されます

TJ = TA + (PTOT x RθJA)

JEDEC 規格の 4 層 PCB を考慮すれば、接合部から周囲への熱抵抗 (RθJA) は、HTSSOP パッケージの場合 31℃/W、VQFN パッケージの場合 40.7℃/W です。

25℃の周囲温度を仮定すると、HTSSOP パッケージの接合部温度は以下のように計算されます。

TJ = 25°C + (2.181W x 31°C/W) = 92.6 °C

VQFN パッケージの接合部温度は以下のように計算されます。

TJ = 25°C + (2.181W x 40.7°C/W) = 113.8 °C

デバイス接合部温度が規定の動作範囲内にあることを確認する必要があります。

GUID-97A057DC-E076-487A-A548-14414350CC77-low.jpg図 8-2 VM 接続負荷による電流レギュレーション. CH1 = IN1 (3V/div), CH3 = OUT1 (24V/div), CH7 = IOUT1 (1.5A/div)
GUID-3788C1AE-D440-419E-8DC9-2EE816802113-low.jpg図 8-3 IN1 から OUT1 への伝搬遅延. CH1 = IN1 (3V/div), CH3 = OUT1 (24V/div)