JAJSHA5B May 2019 – January 2021 DS90UH941AS-Q1
PRODUCTION DATA
このシリアライザは、I2C 互換シリアル制御バスを使って設定することもできます。複数のデバイスがシリアル制御バスを共有することもできます (最大 8 つのデバイス・アドレスをサポート)。デバイス・アドレスは、IDX ピンに接続された抵抗分圧器 (R1 と R2 — 図 8-29 を参照) によって設定されます。
シリアル制御バスは、SCL と SDA という 2 つの信号で構成されます。SCL は、シリアル・バス・クロック入力です。SDA は、シリアル・バス・データ入出力信号です。SCL 信号と SDA 信号はどちらも、VDD18 または VDD33 への外付けプルアップ抵抗を必要とします。ほとんどのアプリケーションでは、2.2kΩ のプルアップ抵抗が推奨されます。しかしこのプルアップ抵抗値は、容量性負荷とデータ・レートの要件に応じて調整できます。『I2C バスのプルアップ抵抗値の計算』を参照してください。これらの信号は、High に引き上げられるか、Low に駆動されます。
IDX ピンは、制御インターフェイスを 8 つの可能なデバイス・アドレスのいずれかに設定します。プルアップ抵抗とプルダウン抵抗は、適切な IDX 入力ピン電圧を設定するために使われます。「表 8-12」を参照してください。
NO. | VIDX の電圧範囲 | VIDX の目標電圧 | ストラップ抵抗の推奨値 (許容誤差 1%) | 割り当てられた I2C アドレス | ||||
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VMIN | VTYP | VMAX | V(VDD18) = 1.8V | R1 (kΩ) | R2 (kΩ) | 7 ビット | 8 ビット | |
0 | 0 | 0 | 0.135 × V(VDD18) | 0 | オープン | 10.0 | 0x0C | 0x18 |
1 | 0.176 × V(VDD18) | 0.213 × V(VDD18) | 0.247 × V(VDD18) | 0.384 | 73.2 | 20.0 | 0x0E | 0x1C |
2 | 0.289 × V(VDD18) | 0.327 × V(VDD18) | 0.363 × V(VDD18) | 0.589 | 60.4 | 30.1 | 0x10 | 0x20 |
3 | 0.407 × V(VDD18) | 0.441 × V(VDD18) | 0.467 × V(VDD18) | 0.793 | 51.1 | 40.2 | 0x12 | 0x24 |
4 | 0.526 × V(VDD18) | 0.555 × V(VDD18) | 0.584 × V(VDD18) | 0.999 | 40.2 | 51.1 | 0x14 | 0x28 |
5 | 0.640 × V(VDD18) | 0.671 × V(VDD18) | 0.701 × V(VDD18) | 1.208 | 30.1 | 61.9 | 0x16 | 0x2C |
6 | 0.757 × V(VDD18) | 0.787 × V(VDD18) | 0.814 × V(VDD18) | 1.417 | 18.7 | 71.5 | 0x18 | 0x30 |
7 | 0.877 × V(VDD18) | V(VDD18) | V(VDD18) | 1.8 | 10 | オープン | 1x0A | 0x34 |
シリアル・バス・プロトコルは、START、REPEAT-START、STOP によって制御されます。START は、SCL が High である間に SDA が Low に遷移したときに発生します。STOP は、SDA が High に遷移したときに SCL も High である場合に発生します。図 8-30 を参照
I2C スレーブと通信するには、ホスト・コントローラ (マスタ) はスレーブ・アドレスを送信し、スレーブからの応答を待ち受けます。この応答は、アクノリッジ (ACK) ビットと呼ばれます。バス上のスレーブにアドレスが正しく設定されている場合、SDA バスを Low に駆動することによって、ACK がマスタに返されます。アドレスがデバイスのスレーブ・アドレスと一致しない場合、SDA を High に引き上げることによって、ノット・アクノリッジ (NACK) がマスタに返されます。ACK は、データの送信中にもバス上に発生します。マスタがデータを書き込んでいる場合、スレーブは、データ・バイトを正常に受信する毎に ACK を返します。マスタは、データを読み出している場合、データ・バイトを受信する毎に、ACK をスレーブに返すことによって、別のデータ・バイトの送信を要求します。マスタは、読み出しを停止する場合、最後のデータ・バイトの読み出し後に NACK を送信し、バス上に STOP を送信します。バス上のすべての通信は、START または REPEAT-START によって開始されます。バス上のすべての通信は、STOP によって終了します。図 8-31 に読み出しを示し、図 8-32 に書き込みを示します。
シリアライザに配置された I2C マスタは、I2C クロック・ストレッチングをサポートする必要があります。I2C インターフェイスの要件とスループットに関する考慮事項の詳細については、『双方向制御チャネルによる FPD-Link III 上の I2C 通信』アプリケーション・ノート (SNLA131) を参照してください。