JAJSMW4 December   2022 INA232

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. ピン構成および機能
  6. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD 定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報
    5. 6.5 電気的特性
    6. 6.6 タイミング要件 (I2C)
    7. 6.7 タイミング図
    8. 6.8 代表的特性
  7. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 機能説明
      1. 7.3.1 統合型 A/D コンバータ (ADC)
      2. 7.3.2 電力の計算
      3. 7.3.3 小さいバイアス電流
      4. 7.3.4 低電圧電源と広い同相電圧範囲
      5. 7.3.5 ALERT ピン
    4. 7.4 デバイスの機能モード
      1. 7.4.1 連続動作とトリガ動作の比較
      2. 7.4.2 デバイス・シャットダウン
      3. 7.4.3 パワーオン・リセット
      4. 7.4.4 平均化と変換の時間についての検討事項
    5. 7.5 プログラミング
      1. 7.5.1 I2C シリアル・インターフェイス
      2. 7.5.2 I2C シリアル・インターフェイスを使用した書き込みと読み取り
      3. 7.5.3 高速 I2C モード
      4. 7.5.4 ゼネラル・コール・リセット
      5. 7.5.5 ゼネラル・コールの開始バイト
      6. 7.5.6 SMBus のアラート応答
    6. 7.6 レジスタ・マップ
      1. 7.6.1 デバイスのレジスタ
  8. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
      1. 8.1.1 デバイスの測定範囲と分解能
      2. 8.1.2 電流と電力の計算
      3. 8.1.3 ADC 出力のデータ・レートとノイズ性能
      4. 8.1.4 フィルタリングと入力についての考慮事項
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 設計要件
      2. 8.2.2 詳細な設計手順
        1. 8.2.2.1 シャント抵抗の選択
        2. 8.2.2.2 デバイスの構成
        3. 8.2.2.3 Shunt Calibration レジスタのプログラム
        4. 8.2.2.4 目標のフォルト・スレッショルドの設定
        5. 8.2.2.5 戻り値の計算
      3. 8.2.3 アプリケーション曲線
    3. 8.3 電源に関する推奨事項
    4. 8.4 レイアウト
      1. 8.4.1 レイアウトのガイドライン
      2. 8.4.2 レイアウト例
  9. デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 9.1 デバイスのサポート
      1. 9.1.1 開発サポート
    2. 9.2 ドキュメントのサポート
      1. 9.2.1 関連資料
    3. 9.3 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    4. 9.4 サポート・リソース
    5. 9.5 商標
    6. 9.6 静電気放電に関する注意事項
    7. 9.7 用語集
  10. 10メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

電流と電力の計算

INA232 が電流値をアンペア単位で通知するには、キャリブレーション・レジスタに一定の変換値を書き込む必要があります。この値は、選択されている CURRENT_LSB と、アプリケーションで使用されるシャント抵抗によって異なります。キャリブレーション・レジスタの値は、Equation1 に基づいて計算されます。CURRENT_LSB は、電流値が格納される CURRENT レジスタの LSB に選択されたステップ・サイズです。Equation2 に示すように、CURRENT_LSB の最小値は、想定される最大電流に基づいており、CURRENT レジスタの最大分解能を直接定義します。CURRENT_LSB 値が小さいほど分解能は高くなりますが、CURRENT の変換を簡単にするため、CURRENT_LSB にはより大きな切りのいい数 (8× 以下) を選択するのが一般的です。

RSHUNT は、IN+ ピンと IN- ピン間の差動電圧を生じさせるために使われる外部シャントの抵抗値です。ADCRANGE = 0 の場合、Equation1 を使用します。ADCRANGE = 1 の場合、SHUNT_CAL の値を 4 で除算する必要があります。

Equation1. GUID-20210417-CA0I-NJ8W-N6GX-R756PJTF8ZP9-low.gif

ここで

  • 0.00512 は、スケーリングを適切に維持するために使用される内部的な固定値です。
  • CURRENT_LSB は、電流ステップ・サイズに対して選択された値で、アンペア単位です。分解能の損失を減らすため、CURRENT_LSB(minimum) 以上で、8 × CURRENT_LSB(minimum) 未満の必要があります。
  • ADCRANGE = 1 の場合、SHUNT_CAL の値を 4 で除算する必要があります。

 

Equation2.

電流は、SHUNT_CAL レジスタで設定される値に基づき、シャント電圧の測定値に従って計算されます。SHUNT_CAL レジスタにロードされる値が 0 の場合、CURRENT レジスタによって通知される電流値も 0 になります。

計算値を使用して SHUNT_CAL レジスタをプログラミングすると、CURRENT レジスタから電流の測定値をアンペア単位で読み取ることができます。Equation3 を使用して、CURRENT_LSB によってスケーリングされた最終的な値を計算します。

Equation3. GUID-DF56AF98-F57E-41EB-89A1-F6723F758787-low.gif

ここで

  • CURRENT は、CURRENT レジスタからの読み取り値です

電力値は、Power レジスタから 16 ビットの値として読み取ることができます。Equation4 を使用して、電力をワット単位に変換します。

 

Equation4. GUID-20210417-CA0I-P1N8-XRP6-VCTG68R3W70F-low.gif

ここで

  • POWER は、POWER レジスタからの読み取り値です。
  • CURRENT_LSB は、Equation1 で使用される電流計算の LSB サイズとして選択された値です。

 

これらの式を使用する設計例については、「詳細な設計手順」を参照してください。