JAJSLK6D May 2021 – August 2023 INA236
PRODUCTION DATA
デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。
INA236 は、シャント電圧とバス電圧の両方を測定するための変換時間をプログラム可能です。これらの測定の変換時間は、最短で 140μs、最長で 8.244ms に設定できます。変換時間の設定と、プログラム可能な平均化モードにより、特定のアプリケーションのタイミング要件を最適化するように INA236 を構成できます。たとえば、5ms ごとにデータを読み出す必要があるシステムの場合、変換時間が 588μs、平均化モードが 4 に設定されるよう、INA236 を構成できます。この構成では、データは約 4.7ms ごとに更新されます。INA236 は、シャントとバス電圧の測定に、それぞれ異なる変換時間を使用するよう構成することもできます。この種の方法は、バス電圧が比較的安定する傾向があるアプリケーションで一般的です。このような条件では、シャント電圧の測定と比べて、バス電圧の測定に必要な時間を短縮できます。シャント電圧の変換時間を 4.156ms に設定し、バス電圧の変換時間を 588μs、平均化モードを 1 に設定できます。この構成でも同様に、約 4.7ms ごとにデータが更新されます。
変換時間の設定と、使用する平均化モードには、トレードオフが存在します。平均化機能は、信号を効果的にフィルタリングすることで、測定精度を大幅に向上できます。この方法により、INA236 は信号へのノイズ結合によって生じる可能性のある測定のノイズを低減できます。平均化の回数が多いほど、INA236 は測定のノイズ成分を効果的に低減できます。
選択した変換時間は、測定精度にも影響を及ぼすことがあります。図 7-2 には、ノイズが測定に及ぼす影響を明らかにするため、いくつかの変換時間の例を示しています。可能な限り最高精度の測定を実現するには、システムのタイミング要件に基づいて、許容される最長の変換時間と、最大の平均化回数の組み合わせを使用します。