JAJSDA4H February 2013 – June 2017 LM5122
PRODUCTION DATA.
デューティ・サイクルが50%よりも大きい場合、ピーク電流モード・レギュレータは分数調波発振の影響を受けます。分数調波の発振には通常、広いデューティ・サイクルと狭いデューティ・サイクルが繰り返し観測されるという特徴があります。この分数調波の発振は、勾配補償と呼ばれる人工的なランプを、検出対象のインダクタ電流に追加する手法で除去できます。
勾配補償の量は、SLOPEピンとAGNDピンとの間に1つの抵抗を接続することでプログラムできます。勾配補償の量は次のように計算できます。
where
RSLOPEの値は、最小入力電圧時にEquation 6から決定できます。
where
Equation 6から、入力範囲全体にわたるKは、次のように計算できます。
where
いずれの場合も、Kは最低でも0.5より大きくします。スイッチング周波数が500kHzを超える場合、内部遅延の関係で最小オン時間が勾配補償の量に影響を及ぼすため、K係数を1以上にすることをお勧めします。
負荷があるときに正しくスタートアップし、電流制限が正しく動作するよう、検出されるインダクタ電流と勾配補償の和は、COMPの出力HIGH電圧(VOH)より低くします。これにより、RSLOPEの最小値は次のように制限されます。
where
where
SLOPEピンはフローティング状態のままにしてはなりません。