JAJSDA4H February 2013 – June 2017 LM5122
PRODUCTION DATA.
レギュレータでは一般に、軽負荷時に負荷へ供給される合計電力の大きな割合を、コンバータのスイッチングおよびバイアス電流に関連する損失が占めるようになるため、効率が低下します。軽負荷時の効率向上のため、LM5122ではダイオード・エミュレーション・モードにおいて、軽負荷時の動作が2種類用意されています。
LM5122コントローラに内蔵されているスキップ・サイクル・モードでは、軽負荷の状況で平均スイッチング周波数を下げることにより、スイッチング損失を減らし、効率を向上できます。スキップ・サイクル動作は、スキップ・サイクル・コンパレータによって行われます。軽負荷の状況が発生したとき、COMPピンの電圧は自然に低下し、レギュレータから供給されるピーク電流が減少します。スキップ・サイクルのスレッショルドは、COMP電圧の立ち下がり時にはVMODE - 20mV、COMP電圧の立ち上がり時にはVMODE + 20mVと定義されています。スキップ・サイクル・コンパレータの内部には、40mVのヒステリシスが存在します。
PWMコンパレータの入力電圧がVMODE - 20mVより低くなった場合、HOとLOの両方の出力が無効になります。コントローラは、PWMコンパレータの入力電圧がVMODE + 20mVに上昇し、より多くのインダクタ電流が要求されるまで、スイッチング・サイクルのスキップを続けます。スキップされるサイクルの数は、周波数補償回路の負荷と応答時間に依存します。スキップ・サイクル・コンパレータの内部ヒステリシスは、長いスキップ・サイクルのインターバルの後で、パルスの短いバーストを生成するのに役立ちます。内部の700kΩのプルアップおよび100kΩのプルダウン抵抗により、MODEピンはデフォルトで0.15Vに設定されます。ピーク電流制限スレッショルドは750mVに設定されているため、デフォルトのスキップ・スレッショルドはピーク・レベルの約17%に対応します。実際には、勾配補償の追加により、スキップ・レベルはこれより低くなります。SLOPEまたはVCCピンに外付けのプルアップ抵抗を追加するか、グランドに外付けのプルダウン抵抗を追加することにより、スキップ・サイクルのスレッショルドをプログラムできます。スキップ・サイクル・コンパレータはPWMコンパレータの入力を監視し、この入力はCOMP電圧に比例するため、バイパス動作が必要な場合はスキップ・サイクル動作が推奨されません。
従来のパルス・スキップ動作は、MODEピンをグランドに接続することで実現できます。スキップ・サイクル・コンパレータの正の入力には、負の20mVオフセットがあるため、通常の動作ではスキップ・サイクル・コンパレータがトリガされないことが保証されます。軽負荷または無負荷の状況で、レギュレータに必要なパルス幅が、デバイスの最小LOオン時間よりも短い場合、LM5122はLOパルスをスキップします。エラー・アンプは、軽負荷または無負荷の状況でレギュレーションを維持するための平均LOパルス幅を見つけようと試みるので、パルス・スキップはランダムな動作のように見えます。