JAJSLI0 March 2022 LM5143
PRODUCTION DATA
LM5143 降圧コントローラは、3.5V~65V の幅広い入力電圧範囲で動作するように設計されています。入力電源の特性は、絶対最大定格および推奨動作条件と互換性がある必要があります。また、入力電源は、全負荷時のレギュレータに必要な入力電流を供給できる必要があります。平均入力電流を見積るには、Equation46 を使用します。
ここで
レギュレータが高インピーダンスを持つ長い配線や PCB パターンを経由して入力電源に接続されている場合は、安定した性能を実現するために特に注意が必要です。入力ケーブルの寄生インダクタンスと抵抗は、レギュレータの動作に悪影響を及ぼすおそれがあります。寄生インダクタンスと低 ESR セラミック入力コンデンサを組み合わせることで、不足減衰共振回路が形成されます。この回路は、入力電源がオンとオフを周期的に切り替わるたびに、VIN で過電圧過渡が発生する可能性があります。寄生抵抗により、負荷過渡中に入力電圧が低下する場合があります。こうした問題を解決する最善策は、入力電源からレギュレータまでの距離を短くして、セラミックと並列にアルミニウム製やタンタル製の入力コンデンサを使用することです。電解コンデンサの ESR は比較的低いため、入力共振回路は減衰し、電圧オーバーシュートを低減することができます。通常、容量の範囲が 10μF~47μF であれば、並列入力を減衰させるには十分であり、大きな負荷過渡中も入力電圧を安定した状態に保持できます。
レギュレータの前に EMI 入力フィルタを使用することがあります。ただし、設計に留意しなければ、これにより不安定な状態が起きる、または前述のような影響を及ぼすおそれがあります。『DC/DC コンバータ向け伝導 EMI の簡単な成功事例アプリケーション・レポート』では、スイッチング・レギュレータの入力フィルタを設計する際に役立つ提案を紹介しています。