JAJSOF4 May 2022 LM5143A-Q1
PRODUCTION DATA
LM5143A-Q1 には、N チャネル MOSFET ゲート・ドライバと関連するハイサイド・レベル・シフタが搭載されており、外部の N チャネル MOSFET を駆動します。ハイサイド・ゲート・ドライバは外部のブートストラップ・ダイオード DBST およびブートストラップ・コンデンサ CBST と連動して動作します。図 9-7 を参照してください。ローサイド MOSFET の導通時間内は、SW 電圧が約 0V で、CBST は DBST を経由して VCC から充電されます。テキサス・インスツルメンツは、0.1μF のセラミック・コンデンサを HB ピンと SW ピンの間に短いパターンで接続することを推奨しています。
LO と HO 出力はアダプティブ・デッドタイム方式で制御されるため、両方の出力 (LO と HO) が同時にイネーブルになることはなく、クロス導通を防止します。コントローラから LO をイネーブルにするようコマンドが送信されると、アダプティブ・デッドタイム・ロジックは最初に HO をディセーブルにして、HO-SW 電圧が 2.5V (標準値) 以下に低下するまで待機します。次に、短い遅延 (HO の立ち下がりから LO の立ち上がりまでの遅延) の後に LO はイネーブルになります。同様に、HO ターンオンは LO 電圧が 2.5V 以下に低下するまで遅延します。それから、HO は短い遅延 (LO の立ち下がりから HO の立ち上がりまでの遅延) の後にイネーブルになります。この方法により、任意のサイズの N チャネル MOSFET 部品や並列 MOSFET 構成に対して、適切なデッドタイムを確保することができます。
直列ゲート抵抗を追加する場合は、実効デッドタイムが短くなる可能性があるため、注意が必要です。各ハイサイドおよびローサイド・ドライバには独立したドライバ・ソースおよびシンク出力ピンがあり、ユーザーは駆動強度を調整することで、スイッチング損失を最適化して最大の効率を実現し、スルーレートを制御して EMI シグネチャを低減することができます。Equation14 に従って、選択した N チャネル・ハイサイド MOSFET により、図 9-7 に示す適切なブートストラップ・コンデンサの容量の値 CBST が決まります。
ここで
CBST を決定するには、利用可能なゲート・ドライブ電圧が大きな影響を受けないように ΔVBST を選択します。ΔVBST の許容範囲は 100mV~300mV です。ブートストラップ・コンデンサは、通常 0.1μF の低 ESR セラミック・コンデンサにする必要があります。ロジック・レベル・ゲート・スレッショルド電圧を持つハイサイドおよびローサイド MOSFET を使用してください。