JAJSSD8B May 2004 – January 2024 LM64
PRODUCTION DATA
トランジスタがダイオードとして接続されている場合、VBE、T、IF の関係は次のようになります。
ここで、
活性領域では、-1 の項は無視できるほど小さくて除去できるので、次の式が得られます。
上の式で、η および Is は、そのダイオードの製造に使用されたプロセスに依存します。比 (N) がよく制御された 2 つの電流を強制的に供給して、その結果生じる電圧の差を測定することにより、Is の項を除去でき ます。順方向電圧の差を求めると、次の関係が得られます。
非理想係数 η は、考慮されていない唯一の他のパラメータであり、これは測定に使用するダイオードによって異なります。ΔVBE は η と T の両方に比例するため、η の変動と温度の変動を区別することはできません。非理想係数は温度センサで制御されないため、センサの精度を悪化させる直接要因となります。
たとえば、プロセッサのメーカーが、部品間の η のバラツキを ±0.1% と規定しているとします。一例として、室温 25°C において温度センサの精度仕様が ±1°C であると仮定すると、その結果として、精度は次のようになります。
TACC = ±1℃ + (298K の ±0.1%) = ±1.3℃
ペアにするリモート ダイオードを使用して各温度センサを較正すると、η に起因する温度測定のさらなる精度低下をなくすことができます。非理想係数については、プロセッサのデータシートを参照してください。