JAJS568K August   2000  – August 2020 LMV321-N , LMV321-N-Q1 , LMV324-N , LMV324-N-Q1 , LMV358-N , LMV358-N-Q1

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. 概要 (続き)
  6. ピン構成および機能
    1.     7
  7. 仕様
    1. 7.1  絶対最大定格
    2. 7.2  ESD 定格 - 商業用
    3. 7.3  ESD 定格 - 車載用
    4. 7.4  推奨動作条件
    5. 7.5  熱に関する情報 - 商業用
    6. 7.6  熱に関する情報 - 車載用
    7. 7.7  2.7V DC の電気的特性
    8. 7.8  2.7V AC の電気的特性
    9. 7.9  5V DC の電気的特性
    10. 7.10 5V AC の電気的特性
    11. 7.11 代表的特性
  8. 詳細説明
    1. 8.1 概要
      1. 8.1.1 LMV321-N/LMV358-N/LMV324-N の利点
        1. 8.1.1.1 サイズ
        2. 8.1.1.2 シグナル・インテグリティ
        3. 8.1.1.3 簡単な基板レイアウト
        4. 8.1.1.4 低い電源電流
        5. 8.1.1.5 低い電源電圧
        6. 8.1.1.6 レール・ツー・レール出力
        7. 8.1.1.7 入力にグランドを含む
        8. 8.1.1.8 使いやすさとクロスオーバー歪み
    2. 8.2 機能ブロック図
    3. 8.3 機能説明
      1. 8.3.1 容量性負荷の許容誤差
      2. 8.3.2 入力バイアス電流のキャンセル
    4. 8.4 デバイスの機能モード
  9. アプリケーションと実装
    1. 9.1 アプリケーション情報
    2. 9.2 代表的なアプリケーション
      1. 9.2.1  単純なローパス・アクティブ・フィルタ
        1. 9.2.1.1 設計要件
        2. 9.2.1.2 詳細な設計手順
        3. 9.2.1.3 アプリケーション曲線
      2. 9.2.2  差動アンプ
      3. 9.2.3  計測回路
        1. 9.2.3.1 3 オペアンプの計測アンプ
        2. 9.2.3.2 2 オペアンプの計測アンプ
        3. 9.2.3.3 単一電源の反転アンプ
      4. 9.2.4  サレンキー型の 2 次アクティブ・ローパス・フィルタ
        1. 9.2.4.1 詳細な設計手順
      5. 9.2.5  2 次ハイパス・フィルタ
      6. 9.2.6  状態可変フィルタ
        1. 9.2.6.1 詳細な設計手順
      7. 9.2.7  パルス・ジェネレータと発振器
      8. 9.2.8  電流のソースとシンク
        1. 9.2.8.1 固定電流ソース
        2. 9.2.8.2 高コンプライアンス電流シンク
      9. 9.2.9  パワー・アンプ
      10. 9.2.10 LED ドライバ
      11. 9.2.11 ヒステリシス付きのコンパレータ
  10. 10電源に関する推奨事項
  11. 11レイアウト
    1. 11.1 レイアウトのガイドライン
    2. 11.2 レイアウト例
  12. 12デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 12.1 関連リンク
    2. 12.2 Receiving Notification of Documentation Updates
    3. 12.3 Support Resources
    4. 12.4 商標
    5. 12.5 静電気放電に関する注意事項
    6. 12.6 Glossary
  13. 13メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

詳細な設計手順

以下の段落では、与えられたフィルタ要件、たとえば ALP、Q、fc に基づいて、R1、R2、R3、R4、C1、C2 の値を選択する方法について説明します。

2 次ローパス・フィルタの標準形式は次のとおりです。

Equation4. GUID-EBC98214-37BB-433E-BA1C-7602941D7004-low.png

ここで

Q:極の品質係数

ωC:コーナー周波数

Equation3Equation4 とを比較すると、次の式が得られます。

Equation5. GUID-A1DA874E-C183-405B-AFFB-692FDF01CD7B-low.png
Equation6. GUID-8BE7672C-00D4-4F57-818A-1410C3EFA385-low.png

フィルタ設計で必要な計算を減らすために、部品と設計パラメータに正規化を導入すると便利です。正規化を行うには、ωC = ωn = 1rad/s、C1 = C2 = Cn = 1F と置いてから、これらの値をEquation5Equation6 に代入します。Equation5 から、次の結果が得られます。

Equation7. GUID-7C5F956A-72EF-4199-97B0-CE89D3084C88-low.png

Equation6 から、次の結果が得られます。

Equation8. GUID-4A7199D1-2AB2-4AC8-BBB0-D818F01E16B3-low.png

DC オフセット V+ = V を最小に抑えるため、反転入力と非反転入力の両方の抵抗の値は等しくする必要があります。つまり、次のようになります。

Equation9. GUID-840523D7-2D3E-4579-ABAE-2D6FA294B1D3-low.png

Equation2 および Equation9から、次の結果が得られます。

Equation10. GUID-D7341DB7-5D37-40D7-AEA9-1D507991E7C1-low.png
Equation11. GUID-CE5F9F30-CB01-4C00-85E0-3E88A97CDF4E-low.png

C1 と C2 の値は通常、次の値に近いか、等しくなります。

Equation12. GUID-1DE633D8-4530-4524-9B3D-6222F9AD6431-low.png

設計の例は次のようになります。

要件:ALP = 2、Q = 1、fc = 1kHz

最初に、C1 と C2 を選択します。次の値に近い標準値を選択します。

Equation13. GUID-1DE633D8-4530-4524-9B3D-6222F9AD6431-low.png
Equation14. GUID-F635A57D-47BC-4A18-A16B-E48237855B89-low.png

Equation7Equation8Equation10Equation11 の 4 つの式から、次の値が得られます。

Equation15. R1= 1Ω
Equation16. R2= 1Ω
Equation17. R3= 4Ω
Equation18. R4= 4Ω

上記の抵抗値は、ωn = 1rad/s、C1 = C2 = Cn = 1F で正規化された値です。正規化されたカットオフ周波数と抵抗を実際の値にスケーリングするため、周波数スケーリング係数 (kf) とインピーダンス・スケーリング係数 (km) という 2 つのスケーリング係数が導入されます。

Equation19. GUID-73652114-D56B-48A6-84B2-86E0AF0FAC0A-low.png

スケーリングされた値は次のとおりです。

Equation20. R2 = R1 = 15.9kΩ
Equation21. R3 = R4 = 63.6kΩ
Equation22. C1 = C2 = 0.01μF

抵抗とコンデンサの現実的な値を得るために、スケーリングを調整できます。各部品に使用される実際の値は、回路に示されています。