JAJSJC3A May 2021 – November 2021 LP5860
PRODUCTION DATA
デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。
各 LED ドットの PWM デューティ サイクルを制御するには、複数の方法があります。
すべての LED は、PWM デューティによって LED 輝度を変更するために使う個別の 8 ビットまたは 16 ビット PWM レジスタを備えています。LP5860 は、高いリフレッシュ レートで 16 ビット深度を実現するため、拡張スペクトラム PWM (ES-PWM) アルゴリズムを使用しており、これにより、高速カメラでのちらつきを防止できます。従来型の 8 ビット PWM と比較して、16 ビット PWM は LED アニメーション アプリケーションにおいて非常に高い調光分解能を実現するのに役立ちます。
1~3 つのグループとして LED を選択するため、グループ PWM 制御が使われます。ここで、デューティ サイクルを制御するため、各グループは個別のレジスタを持っています。各 LED は、その LED が 3 つのグループのうちのいずれに所属するか、またはいずれのグループにも所属しないかを選択するため、LED_DOT_GROUP レジスタ (x = 0、1、…、54) の 2 つの選択ビットを持っています。
グローバル PWM 制御機能はすべての LED に同時に作用します。
最終的な PWM デューティ サイクルは、以下のように計算できます。
LP5860 は 125kHz または 62.5kHz の PWM 出力周波数をサポートしています。PWM 周波数は、「Dev_initial」レジスタの「PWM_Fre」を設定することで選択されます。PWM 出力を生成するため、内蔵の 31.2MHz 発振器が使われます。この発振器の高精度設計 (ƒOSC_ERR ≦ ±3%) は、複数の LP5860 デバイスを相互に接続した際の同期特性の改善を可能にします。
同時にターンオンさせた際の電流オーバーシュートを防止するため、各電流シンクに PWM 位相シフト機能が実装されています。LED ドライバが同時に作動することがないため、前段の電源からのピーク負荷電流が大幅に減少します。この方式では、入力電流のリップルとセラミック コンデンサの可聴リンギングも低減されます。LED ドライバは、3 つの異なる位相にグループ化されています。Dev_config1 レジスタの「PWM_Phase_Shift」(デフォルトはオフ) を設定することで、LP5860 は tPHASE_SHIFT = 125ns のシフト時間 (図 8-4 を参照) に対応します。
ライン スイッチング時の大電流シンク出力リップルを防止するため、ラインがターンオンした後、1 クロック (PWM 周波数に応じて 62.5ns または 31.25ns) 遅れて電流シンクがターンオンするように設定できます (図 8-3 を参照)。この機能は、Dev_config1 レジスタの 「CS_ON_Shift」で設定できます。
LP5860 では、Dev_config1 レジスタの「PWM_Scale_Mode」を使って、調光スケールを指数関数的 (ガンマ補整) と線形関数的のどちらかに設定できます。人間の目に優しい調光曲線が必要な場合、内蔵の固定指数スケールを使うことが簡単な方法です。特殊な調光曲線が必要な場合、線形スケールとソフトウェア補正を組み合わせて使うことを推奨します。LP5860 は、8 ビットおよび 16 ビット PWM 深度の、線形関数的調光曲線と指数関数的調光曲線の両方をサポートしています。図 8-5 に、8 ビット PWM 深度の例を示します。
要約すると、PWM 制御方式は図 8-6 のように示されます。