JAJSDV8E August 2011 – January 2017 OMAP-L132
PRODUCTION DATA.
デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。
OMAP-L132 C6000 DSP+ARMプロセッサは、ARM926EJ-SとC674x DSPコアを基礎とする、低消費電力のアプリケーション・プロセッサです。このプロセッサは、TMS320C6000™ DSPプラットフォームの他のプロセッサよりもはるかに少ない電力を実現します。
このデバイスにより、相手先ブランドの製造業者(OEM)と相手先ブランドの設計製造業者(ODM)が、完全に統合されたミックスド・プロセッサ・ソリューションの柔軟性を最大限に生かしたプロセッサ性能、堅牢なオペレーティング・システム、豊富なユーザー・インターフェイスを持つデバイスを、迅速に売り出すことが可能になります。
このデバイスは、高性能なTMS320C674x DSPコアとARM926EJ-Sコアのデュアルコアで構成され、DSPと縮小命令セット・コンピュータ(RISC)テクノロジの両方の利点を活用できます。
ARM926EJ-Sは32ビットRISCプロセッサ・コアで、32または16ビット命令を実行し、32、16、8ビット・データを処理します。コアはパイプラインを用いるため、メモリ・システムおよびプロセッサの全部分が連続作動できます。
ARM9コアには、コプロセッサ 15 (CP15)、保護モジュール、テーブル・ルックアサイド・バッファ付きのデータおよびプログラム用メモリ管理ユニット(MMU)が搭載されています。ARM9コアには、個別の16KB命令キャッシュと16KBデータ・キャッシュが搭載されています。どちらのキャッシュも、仮想インデックス仮想タグ(VIVT)の4ウェイ・アソシエイティブです。ARM9コアは、8KB RAM (ベクタ・テーブル)と64KB ROMも搭載しています。
デバイスのDSPコアでは、2レベルのキャッシュ・ベース・アーキテクチャが使用されています。
レベル1のプログラム・キャッシュ(L1P)は32KB ダイレクト・マップ・キャッシュで、レベル1のデータ・キャッシュ(L1D)は32KB 2ウェイ、セット・アソシエイティブ・キャッシュです。レベル2・プログラム・キャッシュ(L2P)は、プログラムおよびデータ空間で共有される256KBのメモリ空間で構成されています。L2メモリは、マップされたメモリ、キャッシュ、またはこれらの組み合わせとして構成可能です。ARM9とシステムの他のホストからDSP L2にアクセスできますが、他のホストは追加の128KB RAM 共有メモリを、DSP性能に影響することなく使用できます。
セキュリティが有効なデバイスでは、TIのベーシック・セキュア・ブートによって、専有知的財産をユーザーが保護することができ、ユーザーの開発したアルゴリズムを外部組織が変更することを防止します。ハードウェア・ベースの「信頼の基点」から始めることで、セキュア・ブートのフローによって、コード実行を開始する既知の正しいポイントを確定できます。デフォルトではJTAGポートがロックされ、エミュレーションおよびデバッグ攻撃を防ぎます。ただし、アプリケーションの開発期間内ではセキュア・ブート・プロセス中にJTAGポートを有効にできます。ブート・モジュールはフラッシュやEEPROMなどの外部不揮発性メモリ内では暗号化され、セキュア・ブート中にロードされると復号化および認証されます。暗号化と復号化によって顧客の知的財産を保護し、システムを安全にセットアップして既知の信頼できるコードでデバイス操作を開始できるようにします。
ベーシック・セキュア・ブートはブート・イメージの検証に、SHA-1またはSHA-256のどちらかとAES-128を使用します。ベーシック・セキュア・ブートはブート・イメージの暗号化にも、AES-128を使用します。セキュア・ブートのフローでは、マルチレイヤの暗号化方式が採用され、ブート・プロセスを保護するだけでなく、ブートおよびアプリケーション・ソフトウェアのコードをセキュアにアップグレードできます。128ビット デバイス固有の暗号キーは、そのデバイスにしかわからず、NIST-800-22で認定された乱数発生器を用いて生成されたもので、顧客の暗号化キーを保護するのに使用されます。更新が必要なときは、顧客は新しい暗号化されたイメージを作成します。デバイスは、イーサネットなどの外部インターフェイスを通じて暗号化されたイメージを取得し、既存のコードを上書きできます。サポートされるセキュリティ機能、またはTIの基本セキュア・ブートの詳細については、「TMS320C674x/OMAP-L1xプロセッサ・セキュリティ・ユーザー・ガイド」を参照してください。
ペリフェラル・セットは、以下を含みます: 管理データ入出力(MDIO)モジュール付き10/100Mbpsイーサネット・メディア・アクセス・コントローラ(EMAC); USB2.0 OTGインターフェイス×1; I2C Busインターフェイス×2; 16個のシリアライザとFIFOバッファ付きマルチチャネル・オーディオ・シリアル・ポート(McASP)×1; FIFOバッファ付きマルチチャネル・バッファード・シリアル・ポート(McBSP)×2; 複数チップ選択付きのシリアル・ペリフェラル・インターフェイス (SPI)×2; それぞれ構成可能(1つはウォッチドッグとして構成可能)な64ビット汎用タイマ×4; 構成可能な16ビット ホスト・ポート・インターフェイス(HPI)×1; 他のペリフェラルと多重化可能で、プログラマブルな割り込みおよびイベント生成モード付きのピンを各バンクが16ピン含む、汎用入出力(GPIO)ピンのバンク×9(最大);UARTインターフェイス(それぞれがRTSとCTSを持つ)×3; 高分解能拡張パルス幅変調回路(eHRPWM)ペリフェラル×2; 3つのキャプチャ入力または3つのAPWM出力として構成可能な32ビット拡張キャプチャ(eCAP) モジュール・ペリフェラル×3; 外部メモリ・インターフェイス×2: より低速なメモリまたはペリフェラル向けの非同期およびSDRAM外部メモリ・インターフェイス(EMIFA)×1; より高速なDDR2/Mobile DDR コントローラ×1。
EMACは、デバイスとネットワーク間の効率的なインターフェイスを提供します。EMACは、10Base-Tと100Base-TX、つまり10Mbpsと100Mbpsを半二重モードまたは全二重モードでサポートします。その上、MDIOインターフェイスがPHY構成で使用できます。EMACは、MIIとRMII両方のインターフェイスをサポートします。
豊富なペリフェラル・セットは、外部ペリフェラル・デバイスを制御する機能と、外部プロセッサと通信する機能を提供します。各ペリフェラルの詳細については、本書の関連セクションと、関連ペリフェラルのリファレンス・ガイドを参照してください。
デバイスには、ARM9とDSP向けの開発ツールの一式が含まれます。これらのツールには、Cコンパイラ、プログラミングとスケジューリングを簡略化するDSPアセンブリ・オプティマイザ、およびソース・コードの実行を見やすくする Windows®デバッガ・インターフェイスが含まれています。