JAJSMV2H may   2008  – june 2023 OPA2673

PRODUCTION DATA  

  1.   1
  2. 特長
  3. アプリケーション
  4. 概要
  5. 改訂履歴
  6. 製品ファミリ比較表
  7. ピン構成および機能
  8. 仕様
    1. 7.1  絶対最大定格
    2. 7.2  ESD 定格
    3. 7.3  推奨動作条件
    4. 7.4  熱に関する情報
    5. 7.5  電気的特性:完全バイアスおよびオフライン・モード VS = ±6V
    6. 7.6  電気的特性:75% バイアス・モード VS = ±6V
    7. 7.7  電気的特性:50% バイアス・モード VS = ±6V
    8. 7.8  代表的特性:VS = ±6V、完全バイアス
    9. 7.9  代表的特性:VS = ±6V 差動、完全バイアス
    10. 7.10 代表的特性:VS = ±6V、75% バイアス
    11. 7.11 代表的特性:VS = ±6V、50% バイアス
  9. 詳細説明
    1. 8.1 概要
    2. 8.2 機能ブロック図
    3. 8.3 機能説明
      1. 8.3.1 取り扱い時の注意事項
        1. 8.3.1.1 抵抗値の設定による帯域幅の最適化
        2. 8.3.1.2 出力電流および電圧
        3. 8.3.1.3 容量性負荷の駆動
        4. 8.3.1.4 ライン・ドライバのヘッドルーム・モデル
        5. 8.3.1.5 ノイズ性能
    4. 8.4 デバイスの機能モード
  10. アプリケーションと実装
    1. 9.1 アプリケーション情報
    2. 9.2 代表的なアプリケーション
      1. 9.2.1 高速アクティブ・フィルタ
        1. 9.2.1.1 設計要件
        2. 9.2.1.2 詳細な設計手順
        3. 9.2.1.3 アプリケーション曲線
      2. 9.2.2 PLC ライン・ドライバ
        1. 9.2.2.1 設計要件
        2. 9.2.2.2 詳細な設計手順
        3. 9.2.2.3 アプリケーション曲線
    3. 9.3 電源に関する推奨事項
      1. 9.3.1 熱解析
      2. 9.3.2 入力および ESD 保護
    4. 9.4 レイアウト
      1. 9.4.1 レイアウトのガイドライン
      2. 9.4.2 レイアウト例
  11. 10デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 10.1 デバイスのサポート
      1. 10.1.1 開発サポート
        1. 10.1.1.1 TINA-TI™シミュレーション・ソフトウェア (無償ダウンロード)
    2. 10.2 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    3. 10.3 サポート・リソース
    4. 10.4 商標
    5. 10.5 静電気放電に関する注意事項
    6. 10.6 用語集
  12. 11メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

ノイズ性能

広帯域電流帰還型オペアンプは一般に、相当する電圧帰還型オペアンプよりも大きい出力ノイズを示します。OPA2673 は、出力ノイズを低減するため、電圧ノイズの項と電流ノイズの項のバランスをうまくとっています。その小さい入力電圧ノイズは、非反転入力電流ノイズを大きく (3pA/√Hz) する代償として実現されています。非反転ノードから見た AC ソース・インピーダンスが 100Ω 未満である限り、この電流ノイズは総合的な出力ノイズには大きく影響しません。オペアンプの入力電圧ノイズと 2 つの入力電流ノイズの項を組み合わせることで、各種動作条件の下で小さい出力ノイズを求めることができます。図 8-11 に、オペアンプのノイズ解析モデルと、ノイズのすべての項を示します。このモデルにおいて、電圧ノイズと電流ノイズの単位は nV/√Hz と pA/√Hz です。

GUID-737013EE-ACDD-474F-A0B7-117352077BE4-low.gif図 8-11 オペアンプのノイズ解析モデル

総合出力スポット・ノイズ電圧は、すべての出力ノイズ電圧の 2 乗和の平方根として計算できます。式 11 に、図 8-11 に示すノイズ項を使用した出力ノイズ電圧の一般式を示します。

式 11. GUID-5CD7C07B-7F72-414B-8489-CD8AEBF6082D-low.gif

この式をノイズ・ゲイン [NG = (1 + RF / RG)] で除算すると、非反転入力での等価入力換算スポット・ノイズ電圧が得られます (式 12 を参照)。

式 12. GUID-AA43E07E-3CD1-4F03-ACDC-28B0111CDFA3-low.gif

図 8-1 に示す OPA2673 の回路と部品の値に対してこれらの 2 つの式の値を求めることで、15.6nV/√Hz の総合出力スポット・ノイズ電圧と 3.9nV/√Hz の総合等価入力スポット・ノイズ電圧が得られます。この総合入力換算スポット・ノイズ電圧は、オペアンプ単体の電圧ノイズの仕様 (2.4nV/√Hz) を超過しています。この結果は、反転電流ノイズと帰還抵抗 (この場合 402Ω) の積によって出力に追加されたノイズが原因です。高ゲイン構成で帰還抵抗を小さくすると (先に提案したように)、式 12 によって与えられる総合入力換算電圧ノイズは、オペアンプ単体の値 (2.4nV/√Hz) に近付きます。たとえば、RF = 250Ω を使用して +8V/V のゲインにすると、2.9nV/√Hz の総合入力換算ノイズが得られます。