JAJSMV2H may 2008 – june 2023 OPA2673
PRODUCTION DATA
ドライバ設計の第 1 段階は、目標仕様からピーク・ツー・ピーク出力電圧を計算することです。この計算には、次の式を使用します。
ここで、PL は負荷の電力、VRMS は負荷の電圧、RL は負荷インピーダンスであり、この式は次のように計算されます。
ここで、VP は負荷でのピーク電圧、CF は波高率です。
ここで、VLPP は負荷でのピーク・ツー・ピーク電圧です。
式 2~式 5 を整理すると、波高率、負荷インピーダンス、負荷の電力の関数として、負荷において必要なピーク・ツー・ピーク電圧を表現できます。つまり、
この VLPP は通常、ライン・インピーダンスの公称値を求めるために計算され、固定の設計目標とすることができます。
ドライバ設計の次の段階は、ライン上の VPP とトランスの巻線比の関数としての個々のアンプの出力電圧および電流を計算することです。巻線比が変化すると、許容される最小電源電圧も変化します。アンプのピーク電流は次の式で与えられます。
ここで、VLPP は式 6 で定義され、RM は式 8 で定義されます。
図 8-9 において、総合的な負荷が 4RM であり、VLPP を使って計算したピーク・ツー・ピークの半分がピーク電流であることに注意することで、ピーク電流は計算されます。
必要な出力電圧および電流と設定された巻線比との関係を使うと、出力段のヘッドルーム・モデルによって、必要な電源電圧と巻線比との関係を求めることができます。
このヘッドルーム・モデル (図 8-10 を参照) は、以下の式で記述できます。
まず、各アンプで利用可能な出力電圧は次の式で表されます。
また、必要な単一電源電圧は次の式で表されます。
一連の電力および負荷要件に対する最小電源電圧は式 10 で与えられます。ここで、V1、V2、R1、R2 は OPA2673 の内部に存在します。
表 8-1 に、OPA2673 を +12V で動作させるための V1、V2、R1、R2 を示します。
V1 | R1 | V2 | R2 |
---|---|---|---|
0.9V | 2Ω | 0.9V | 2Ω |