JAJSN85C april 2022 – may 2023 OPA2675
PRODUCTION DATA
一般に、広帯域の電流帰還型オペアンプは、同等の電圧帰還型オペアンプよりも出力ノイズが大きくなります。OPA2675 は、電圧ノイズ項と電流ノイズ項の間のバランスが優れているため、低出力ノイズを実現します。低い入力電圧ノイズは、より高い非反転入力電流ノイズ (3pA/√Hz) と引き換えにして、実現しています。非反転ノードからの AC ソース・インピーダンスが 100Ω (RS = 100Ω) 未満である限り、この電流ノイズは合計出力ノイズに大きく影響しません。オペアンプの入力電圧ノイズと 2 つの入力電流ノイズ項を組み合わせることで、さまざまな動作条件下で低出力ノイズが得られます。すべてのノイズ項を含むオペアンプのノイズ解析モデルを 図 8-11 に示します。このモデルでは、電圧ノイズと電流ノイズの単位は nV/√Hz または pA/√Hz です。
合計出力スポット・ノイズ電圧は、寄与するすべての出力ノイズ電圧の 2 乗和の平方根として計算できます。式 11 に、図 8-11 で与えられた項を使用した出力ノイズ電圧の一般的な形式を示します 。
この式をノイズ・ゲイン [NG = (1 + RF / RG)] で割ると、式 12 に示すように、非反転入力における等価入力換算スポット・ノイズ電圧が得られます。
これら 2 つの式を 図 8-11 の OPA2675 回路と部品の値で評価すると、合計出力スポット・ノイズ電圧は 13.2nV/√Hz、合計等価入力スポット・ノイズ電圧は 3.3nV/√Hz となります。この合計入力換算スポット・ノイズ電圧は、オペアンプの電圧ノイズのみの仕様である 2.4nV/√Hz よりも高くなります。この結果は、この場合、反転電流ノイズと帰還抵抗 402Ω の積によって出力に追加されるノイズによるものです。高ゲイン構成で帰還抵抗を小さくすると (前述のように)、式 12 で与えられる合計入力換算電圧ノイズは、オペアンプのみのときの 2.4nV/√Hz に近づきます。たとえば、RF = 250Ω を使用して +8V/V のゲインにすると、合計入力換算ノイズは 2.8nV/√Hz になります。