JAJSHP2D December   2015  – August 2021 OPA191 , OPA2191 , OPA4191

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. ピン構成および機能
  6. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD 定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報:OPA191
    5. 6.5 熱に関する情報:OPA2191
    6. 6.6 熱に関する情報:OPA4191
    7. 6.7 電気的特性:VS = ±4V~±18V (VS = 8V~36V)
    8. 6.8 電気的特性:VS = ±2.25V~±4V (VS = 4.5V~8V)
    9. 6.9 代表的特性
  7. パラメータ測定情報
    1. 7.1 入力オフセット電圧ドリフト
  8. 詳細説明
    1. 8.1 概要
    2. 8.2 機能ブロック図
    3. 8.3 機能説明
      1. 8.3.1 入力保護回路
      2. 8.3.2 EMI 除去
      3. 8.3.3 位相反転の防止
      4. 8.3.4 過熱保護動作
      5. 8.3.5 容量性負荷および安定度
      6. 8.3.6 同相電圧範囲
      7. 8.3.7 電気的オーバーストレス
      8. 8.3.8 過負荷からの回復
    4. 8.4 デバイスの機能モード
  9. アプリケーションと実装
    1. 9.1 アプリケーション情報
    2. 9.2 代表的なアプリケーション
      1. 9.2.1 ローサイド電流測定
        1. 9.2.1.1 設計要件
        2. 9.2.1.2 詳細な設計手順
        3. 9.2.1.3 アプリケーション曲線
      2. 9.2.2 16 ビット高精度多重化データ収集システム
        1. 9.2.2.1 設計要件
        2. 9.2.2.2 詳細な設計手順
      3. 9.2.3 スルーレート制限による入力保護
  10. 10電源に関する推奨事項
  11. 11レイアウト
    1. 11.1 レイアウトのガイドライン
    2. 11.2 レイアウト例
  12. 12デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 12.1 デバイスのサポート
      1. 12.1.1 開発サポート
        1. 12.1.1.1 TINA-TI™ シミュレーション・ソフトウェア (無償ダウンロード)
        2. 12.1.1.2 TI Precision Designs
    2. 12.2 ドキュメントのサポート
      1. 12.2.1 関連資料
    3. 12.3 Receiving Notification of Documentation Updates
    4. 12.4 サポート・リソース
    5. 12.5 商標
    6. 12.6 Electrostatic Discharge Caution
    7. 12.7 Glossary
  13. 13メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

容量性負荷および安定度

OPAx191 は、大きな容量性負荷を駆動できる特許取得済みの出力段を備えており、ユニティ・ゲイン構成では最大 1nF の純容量性負荷を直接駆動します。ゲインを大きくするとアンプの能力が拡張され、より大きな抵抗性負荷を駆動できるようになります (図 8-5 を参照)。アンプが動作時に安定するかどうか判断するには、オペアンプの回路構成、レイアウト、ゲイン、出力負荷など、いくつかの要因を考慮します。

GUID-2603ADB8-A4B4-4FB2-8EA7-C8AED48597C4-low.gif図 8-5 1nF の純容量性負荷による過渡応答

多くの低消費電力アンプと同様に、100pF 未満の容量性負荷でもリンギングが発生することがあります。DC 負荷が存在しない、または非常に軽いユニティ・ゲイン構成では、軽負荷アプリケーションでのリンギングの可能性を減らすため、RC スナバ回路を OPAx191 の出力に配置します。図 8-6 に、RC スナバの推奨回路を示します。

GUID-A062705E-5057-4849-88ED-3EA7B38C3391-low.gif図 8-6 ユニティ・ゲイン構成での軽負荷アプリケーション向け RC スナバ回路

ユニティ・ゲイン構成で駆動能力を高めるため、図 8-7 に示すように、
10Ω~20Ω の小さな抵抗 (RISO) を出力と直列に挿入し、容量性負荷の駆動能力を増やします。この抵抗は、純容量性負荷での DC 性能を維持すると同時に、リンギングを大幅に低減します。ただし、容量性負荷と並列に抵抗性負荷が接続されている場合、分圧回路が形成されるため、出力にゲイン誤差が生じ、出力スイングがわずかに減少します。発生する誤差は RISO/RL の比に比例し、一般に低い出力レベルでは無視できます。OPA191 は容量性負荷の駆動能力が大きいため、リファレンス・バッファ、MOSFET ゲート・ドライブ、ケーブル・シールド・ドライブなどのアプリケーションに最適です。図 8-7 に示す回路では、RISO を使ってオペアンプ出力を安定化しています。RISO は、システムの開ループ・ゲインを変化させ位相マージンを増やします。表 8-2 に、OPA191 を使った結果のまとめを示します。この回路を使った最適化および設計手法の詳細については、TI Precision Design TIPD128、分離用抵抗を使った容量性負荷駆動ソリューションで設計目標、シミュレーション、テスト結果のすべてを詳述しています。

GUID-C67D8012-6F61-43A4-830D-4A934B8558F9-low.gif図 8-7 OPA191 により容量性負荷の駆動能力を拡張
表 8-2 分離用抵抗を使った OPA191 容量性負荷駆動ソリューションの、計算結果と実際の測定結果との比較
パラメータ
容量性負荷100pF1000pF0.01µF0.1µF1µF
位相マージン45°45°60°45°60°45°60°45°60°
RISO (Ω)2801134326821017.853.63.610
測定されたオーバーシュート (%)23238238238238