JAJSHP2D December 2015 – August 2021 OPA191 , OPA2191 , OPA4191
PRODUCTION DATA
設計者は多くの場合、オペアンプが電気的オーバーストレス (EOS) にどの程度耐えられるのかという質問をします。これらの質問は、主にデバイスの入力に関するものですが、電源電圧ピンや、さらに出力ピンにも関係する場合があります。これらの各ピンの機能には、特定の半導体製造プロセスの電圧ブレークダウン特性と、ピンに接続された特定の回路とで決まる電気的ストレスの制限値があります。また、これらの回路には内部静電気放電 (ESD) 保護機能が組み込まれており、製品の組み立て前と組み立て中の両方で、偶発的な ESD イベントから保護します。
この基本的な ESD 回路と、電気的オーバーストレス・イベントとの関連性を十分に理解しておくと役に立ちます。OPAx191 に含まれる ESD 回路 (破線で囲まれた部分) の図については、図 8-10 を参照してください。ESD 保護回路には、いくつかの電流ステアリング・ダイオードが含まれており、これらは入力ピンや出力ピンから接続され、内部の電源ラインに戻るようルーティングされます。これらのダイオードは、オペアンプ内部の吸収デバイスや電源 ESD セルで接続されます。この保護回路は、通常の回路動作中は非アクティブに保たれるよう設計されます。
ESD イベントは電圧が非常に高く、持続時間が非常に短いです (例:1kV、100ns)。一方、EOS イベントは電圧はより低く、持続時間はより長いです (例:50V、100ms)。ESD ダイオードは、回路外の ESD 保護 (つまり、PCB に半田付けする前にデバイスの組み立て、テスト、保管を行うとき) を目的として設計されています。ESD イベントの間、ESD 信号は ESD ステアリング・ダイオードを通過して吸収回路 (「ESD 電源回路」とラベル付けされています) に渡されます。ESD 吸収回路は、電源を安全なレベルにクランプします。
この動作は回路外保護のためには必要なものですが、回路内でこの動作をアクティブにすると、過大な電流と損傷が発生します。過渡電圧サプレッサ (TVS) を使用すると、回路内の ESD イベント発生時に ESD 吸収回路がオンになることで生じる損傷を防止できます。適切な電流制限抵抗と TVS ダイオードを使うと、デバイスの ESD ダイオードを使って EOS イベントから保護できます。