JAJSJ38E March 2020 – December 2023 OPA206 , OPA2206 , OPA4206
PRODUCTION DATA
この設計では、±10V、10kHz の帯域幅のバイポーラ信号を減衰させてシングルエンド信号に変換し、3 次バターワース フィルタでフィルタ処理してシングルエンドの A/D コンバータ (ADC) を駆動します。OPA2206 を使用することで、信号チェーンの入力は、高低の電源電圧に対して±40V までの過電圧から保護されます。この信号チェーンの設計は、プログラマブル ロジック コントローラ (PLC)、低消費電力のデータ アクイジション システム (DAQ)、フィールド機器など、高精度、低消費電力、信号障害に対する保護が必要な場合に一般的です。
このアプリケーションでは、高い電源電圧範囲、高い DC 精度 (4μV のオフセットと 0.08μV/℃のオフセット ドリフト)、低い消費電力 (220μA の静止電流) により、放熱要件を最小化できることから、OPA2206 を選択しています。内蔵の OVP トポロジにより、このデバイスはパッシブ外部保護に比べて通常の動作条件で DC および AC の精度が向上し、システム ソリューションが小型化されます。各電源とグランドとの間にツェナー ダイオードを接続して、障害時に発生する電流のリターン パスに対応してください。
信号チェーンの最初の段は、アッテネータとレベル シフタです。この段への入力信号はバイポーラ±10V で、それが±2.5V に減衰されてから、出力がシングルエンドの 0V~5V 信号になるようにレベル シフトされます。帰還抵抗とゲイン抵抗には、それぞれ 20kΩ と 80kΩ を選択しています。したがって、結合インピーダンスは 100kΩ で、これにより信号チェーンへの入力電流が減少し、出力インピーダンスの大きいセンサによる誤差が最小限に抑えられます。
信号チェーンの 2 番目の段では、OPA2206 の 2 番目のチャネルを使用して、-3dB 応答が 20kHz の 3 次バターワース フィルタを作り上げます。フィルタ設計の詳細については、 テキサス・インスツルメンツのフィルタ設計ツールをご覧ください。