JAJSIS4H March 2020 – March 2024 OPA2991-Q1 , OPA4991-Q1 , OPA991-Q1
PRODUCTION DATA
あらゆるアンプは、内部消費電力によって内部 (接合部) の温度が上昇します。この現象を「自己発熱」と呼びます。 OPAx991-Q1 の絶対最大接合部温度は 150℃です。この温度を超えると、デバイスが損傷します。OPAx991-Q1 には過熱保護機能があり、自己発熱による損傷を低減できます。この保護機能はデバイスの温度を監視し、温度が 170℃を超えるとオペアンプの出力ドライブをオフにします。OPAx991-Q1 の消費電力 (0.81W) のために自己発熱が大きくなるアプリケーションの例を、図 6-4 に示します。熱に関する計算から、周囲温度が 65℃の場合、デバイスの接合部温度は 177℃に達することが示されます。しかし、実際のデバイスでは出力ドライブがオフになるので、接合部の温度は安全域に回復します。過熱保護時の回路の動作を、図 6-4 に示します。通常の動作では、デバイスはバッファとして動作し、出力は 3V になります。自己発熱によりデバイスの接合部温度が内部制限値を超えた場合、過熱保護機能によって出力が強制的に高インピーダンス状態になり、出力は抵抗 RL によってグランドにプルダウンされます。過剰な消費電力を引き起こした条件が解消されない場合、出力の障害が修正されるまで、アンプはシャットダウン状態とイネーブル状態をいったりきたりします。
デバイスが長時間にわたって高出力電力で高い接合部温度における動作を続けると、デバイスがサーマル・シャットダウンに入っているかどうかにかかわらず、デバイスの熱放散によってデバイスの性能が徐々に低下し、最終的には致命的な破壊を引き起こす可能性があります。設計者は、高温時にデバイスの出力電力を制限するか、高出力電力の条件下で周囲温度と接合部温度を制御する必要があります。