JAJSD64C april 2017 – february 2023 PGA460
PRODUCTION DATA
実行コマンドは、デバイスのランタイム動作に使われるものであり、PGA460 デバイスの通常動作サイクル中に最も多く使用されます。これらのデバイス・コマンドは、仕様仕様 セクションで定義されているように、指定された期間にわたって IO ピンを LOW にすることで指定されます。以下に示すものが、実行コマンドに分類されます。
図 7-12 に、IO ピン実行コマンドの通信プロセスを示します。
PGA460 デバイスのステータス・フィールドは実行コマンドに組み込まれており、IO バスのデッドタイムを延長することによってコントローラに通知されます。デッドタイム は、3 つのステータス・ビット STAT[1:3] を示すために最大 3 × t(DT_TCI) までさらに延長できます。表 7-1 に、割り当てられた診断機能および各ステータス・ビットの優先順位を示します。
ステータス・ビット | 優先順位 | 概要 |
---|---|---|
STAT 1 | 1 (低) | スレッショルド設定未初期化エラー |
STAT 2 | 2 | 周波数診断エラー |
電圧診断エラー | ||
STAT 3 | 3 (高) | パワーアップ時の自動 EEPROM CRC エラー |
ユーザーによる EEPROM ダウンロード CRC エラー |
表 7-1 に示すように、STAT3 ビットは最も高い優先度を持っています。STAT3 エラー状態が存在する場合、デッドタイムは 3 × t(DT_TCI) にまで延長されます。このとき、STAT2 または STAT1 のいずれかのエラー状態が存在する場合には、これらの条件は STAT3 エラー状態の優先度が高いことによって却下されます。同様に、STAT1 条件は STAT2 エラー条件によって却下されます。この場合、デッドタイムは 2 × t(DT_TCI) にまで延長されます。STAT3 および STAT2 のすべてのエラー条件がクリアされると、STAT1 条件によってデッドタイムが t(DT_TCI) だけ延長されます。
ステータス・ビットの機能は、次のように説明できます。
ユーザーは、EEPROM にマップされたいずれかのレジスタに書き込んでエラーをクリアできます。
ユーザーは、自動または手動で発生した次の EEPROM ダウンロード動作でエラーが発生しないようにするため、EEPROM を再プログラムする必要があります。
デバイスが実行コマンドを受信すると、物体検出を示すための最終的な DSP 出力に応じて、IO ピンが PGA460 デバイスによってアクティブに駆動されます。任意の時点で、処理されたエコー信号がその時点のスレッショルドを超えた場合は、IO ピンが LOW (GND、強いプルダウン) になります。それ以外の場合は、内部の 10kΩ (弱いプルアップ) 抵抗によって IO ピンがプルアップされます。記録時間が Px_REC パラメータで定義された記録終了時間に達すると、IO ピンが解放されて (入力としてプルアップ)、デバイスは、次のコマンドの受け入れ準備完了になっています。図 7-13 に、IO ピンの物体検出機能を示します。デバイスはバースト中は IO ピンを LOW にして、その後、解放することによって MCU に対して記録時間枠の基準を提供します。基準時間、プログラムされたバーストの持続時間、およびその後の検出された各物体による立ち下がりエッジを把握することで、コントローラまたは MCU は、物体の距離を計算できます。
PGA460 デバイスは、実行コマンドを受信してから t(DT_TCI) の時間が経過した後、IO ピンを強制的に LOW にします。これは、記録期間の開始を示します。このプロセスは、タイム・オブ・フライト測定を開始するための基準エッジをコントローラに提供するとともに、PGA460 デバイスがステータス (STAT) ビットの応答を記録サイクルの情報から分離するためでもあります。一般に、低い周波数範囲でバースト期間が経過した後にリンギングが発生すると、AFE は飽和し、IO ピンが 300μs 以上にわたって LOW になります。より高い周波数でのバーストもしくはリスン・オンリー・コマンドの場合、または超音波バーストによる飽和が指定されれたスレッショルドよりも高い値にならない場合 (図 7-14を参照) には、最小パルス幅は 300μsです。特定のフィルタ設定およびグリッチ除去設定において、この 300μs の期間が経過した直後に、偽の物体が検出される可能性があります。