JAJSP37B july 2022 – july 2023 TAS2781
PRODUCTION DATA
ブラウンアウト防止 (BOP) 機能は、リミッタに優先的に入力を供給することで、システムレベルでのブラウンアウトを引き起こす可能性のある充電終了時の電源電圧における過渡的なディップに対して、高速応答を生成します。電源電圧が BOP スレッショルドを下回ると、リミッタは構成可能なアタック・レートでゲインの低下を開始します。電源電圧が BOP スレッショルドを上回ると、リミッタはプログラムされたホールド時間経過後に解放を開始します。BOP 機能をイネーブルするには、BOP_EN[0] レジスタ・ビットを High に設定します。ブラウンアウト電源ソースを設定するには、アプリケーションに応じて、BOP_SRC レジスタ・ビットを PVDDH または PVDDL にセットします。
デフォルトでは、BOP 電源ソースは PVDDL 入力に設定されており、SAR コンバータは PVDDH および PVDDL の電圧と温度をデジタル化します。PVDDH 低電圧検出はディセーブルされます。
BOP 電源ソースが PVDDH 入力に設定されているとき、SAR ADC コンバータは PVDDH および PVDDL の電圧と温度をデジタル化します。この場合、PVDDH 低電圧検出がイネーブルされます。BOP エンジンの最初のアタックでレイテンシを低減するため、レジスタ・ビット CNV_PVDDL を Low に設定することで、PVDDL の変換をバイパスできます。
BOP 電源ソースが PVDDL 入力に設定されているとき、SAR コンバータは PVDDH および PVDDL の電圧と温度をデジタル化します。PVDDH 低電圧検出はディセーブルされます。
BOP が機能しているとき、電源トラッキング・リミッタは一時停止します。
BOP スレッショルドを設定するには、の BOP_TH[31:0] レジスタ・ビットを使用します。BOP_MUTE ビットの設定により、電源がスレッショルドを下回ったとき、デバイスがオーディオをミュートしてシャットダウンするか、ミュートせずにオーディオ信号の減衰だけを行うかが決定されます。
BOPSD_EN レジスタ・ビットが High にセットされている場合、の BOPSD_TH[31:0] レジスタ・ビットで設定したスレッショルドに到達して BOP イベントが発生すると、TAS2781 もただちにミュートしてデバイスをシャットダウンするように設定できます。このシャットダウン機能は、BOP_MUTE が High にセットされると内部で自動的にディセーブルされます。
BOP には、プログラム可能なアタック・レート・レジスタ・ビット BOP_ATK[2:0]、アタック・ステップ・サイズ・レジスタ・ビット BOP_ATK_ST[1:0]、ホールド時間レジスタ・ビット BOP_HLD[2:0] が実装されています。
システムが BOP 機能を終了すると、電源トラッキング・リミッタのリリースが開始されます。リミッタがディセーブルの場合、ゲインはリミッタのリリース設定に従ってリリースされます。
ホールド時間を無限に設定するには、BOP_INF_HLD レジスタ・ビットを High にプログラムします。デバイスは、ミュート状態か SW/HW シャットダウン状態を経由して遷移する必要があります。また、レジスタ・ビット BOP_HLD_CLR を High にセットすることもできます (この場合、デバイスはホールド状態を終了し、リリースを開始します)。
BOP_INF_HLD ビットを Low にセットすると、デバイスは BOP_HLD[2:0] ビットのプログラムに基いてホールド状態になります。