JAJSFW2A July 2018 – November 2018 TL431LI , TL432LI
PRODUCTION DATA.
Figure 26 に、帰還ネットワークの概略回路図を示します。出力電圧の精度は、TL431LIの安定化電圧精度で決まります。VOUTの概算をEquation 2に示しますが、この式には出力を変動させる誤差が入っていません。
誤差の主因となるのはError|VrefとError|Irefです。Error|Vrefは、TL431LIの内部バンドギャップ基準電圧に影響を与える誤差で主に構成されます。この誤差は、初期精度、温度ドリフト、カソード電圧変動に対するリファレンス電圧変動の比率、およびダイナミック・インピーダンスに起因する誤差で構成されます。TL431LIの利点は温度ドリフトとVI(dev)が小さいことであり、これにより標準的なTL431LIに比べて、全温度範囲でVrefの精度が向上します。Equation 3に、初期精度および温度ドリフトによる最悪条件のVrefの概算値を示します。
Figure 26のError|Irefは、R1とともにIrefおよびII(dev)に依存します。TL431LIはIrefとII(dev)が小さいため、抵抗R1の値を大きくして消費電力を節約できます。通常、オプトカプラ帰還設計ではIrefを考慮に入れてVOUTを計算する必要がありますが、Irefの最大値と標準値の偏差から誤差が生じます。加えて、II(dev)はIref電流の温度による偏差であり、TL431LIに流れ込むリファレンス電流全体に影響を与えます。Equation 4は、IrefとII(dev)が小さくなったFigure 26のTL431LIのVOUTを示しています。VOUTの式は、抵抗R1およびR2の精度の許容公差を0.5%と仮定しています。
誤差ありと誤差なしのVOUT計算値を比較すると、最悪条件での推定最大誤差は2.1%となり、3%という誤差目標値を達成しています。