JAJSJG1A January 2021 – July 2021 TMCS1107
PRODUCTION DATA
TMCS1107 を使用するための主な設計パラメータは、正しい感度バリエーションを選択することです。正と負の電流を測定し、双方向バリエーション (A1B~A4B) を選択する必要があることが原因です。ADC でのノイズと統合についてさらに検討することもできますが、それはこのアプリケーション設計例の範囲外です。TMCS1107AxB の伝達関数は、実質的にトランスインピーダンスで、VOUT、0A で設定される可変オフセットが負荷されます。この電圧は、Equation29 で定義されるアナログ電源の半分に内部で設定されます。
検出ソリューションの設計では、デバイスの感度を最大化するとともに、予期される電流入力範囲について線形測定を維持することを目標とします。TMCS1107 の線形出力範囲は、グランドより電源の電位に対して少しだけ小さくなっています。このため、測定可能な電流範囲は常に、電源への正のスイングである SwingVS によって制限されます。動作マージンを考慮に入れる場合は、可能な最小電源電圧 VS、min を検討してください。以前のパラメータから、最大線形出力電圧範囲は、Equation30 の定義に従い、VOUT、max と VOUT、0A との間です。
このサンプル・アプリケーションの設計パラメータを、計算される出力範囲とともに表 10-4 に示します。
設計パラメータ | 値の例 |
---|---|
SwingVS | 0.2V |
VOUT、max | 4.7V |
VS、min での VOUT、0A | 2.45V |
VOUT、max - VOUT、0A | 2.25V |
これらの設計パラメータから、最大の正の線形出力電圧スイングは 2.25V と算出されます。この線形範囲を最大に利用できる TMCS1107 の感度バリエーションを判定するには、Equation31 を使って、双方向電流 (IB、MAX) について最大電流範囲を計算します。
ここで
表 10-5 は、TMCS1107 の各ゲイン・バリエーションについて、それぞれに適切な感度に対する計算を示しています。
感度バリエーション | 感度 | IB、MAX |
---|---|---|
TMCS1107A1B | 50mV/A | ±45A |
TMCS1107A2B | 100mV/A | ±22.5A |
TMCS1107A3B | 200mV/A | ±11.25A |
TMCS1107A4B | 400mV/A | ±5.6A |
一般に、目的のフルスケール電流範囲について、最も感度の高いバリエーションを選択します。計算される±22.5A の最大線形測定可能範囲は、要求される±20A のフルスケール電流に十分なので、この例の設計パラメータについては、感度が 0.1V/A の TMCS1107A2B が適切な選択です。