JAJSMR0 August 2021 TPS25860-Q1 , TPS25862-Q1
PRODUCTION DATA
TPS2586x-Q1 は、Type-C および Type-A デュアル・ポート・アプリケーション用の高集積 USB 充電コントローラ・ファミリです。
本デバイスは、モノリシック同期整流降圧型スイッチ・モード・コンバータ、内部パワー MOSFET、2 つの USB 電流制限スイッチを内蔵しており、充電ポート自動検出機能を備えています。TPS2586x-Q1 は、広い入力電源電圧範囲にわたって優れた負荷およびライン・レギュレーション性能を備えたコンパクトなソリューションを提供します。この同期整流降圧型レギュレータはピーク電流モード制御で動作し、設計を簡素化するため内部的に補償されています。FREQ ピンに接続された抵抗により、スイッチング周波数を 200kHz~3MHz の範囲に設定できます。400kHz 未満で動作する場合、システムの効率が向上します。また、2.1MHz 以上で動作する場合には、AM ラジオ帯を避けることができ、小さなインダクタを使用できます。
TPS2586x-Q1 は、3A および 1.5A 電流アドバタイズメント用の構成チャネル (CC) ロジックを含む標準の USB Type-C® ポート・コントローラ機能を搭載しています。バッテリ充電仕様 (Rev. 1.2) に対応しているため、USB データ・ライン信号を使用して USB ポートの電流供給能力を決定する、Type-C でないレガシー USB デバイスに必要な電気的シグネチャを提供できます。TPS2586x-Q1 は、USB3.1 の電力要件に適合する VCONN 電源も統合しています。高度なシステム統合と小さなフットプリントにより、本製品はデュアル・ポート・アプリケーションに特に適しています。
TPS2586x-Q1 はインテリジェントなサーマル・レギュレーションをサポートしているため、 TS ピンを経由する温度センシングに応じて出力電流と電圧を安定化できます。このデバイスで周囲温度または PCB 温度を監視するには、NTC サーミスタを TS ピンに接続する必要があります。監視対象に応じて USB 充電モジュール内または PCB 上に NTC サーミスタを配置します。NTC サーミスタと下側の直列抵抗を変更すると、負荷シェディングの温度スレッショルドを変更できます。
TPS2586x-Q1 は 4 種類の USB 出力電圧設定(5.1V、5.17V、5.3V、5.4V) を選択できます。TPS2586x-Q1 は、ケーブル・ドループ補償とユーザーがプログラム可能な電流制限調整のための高精度電流センス・アンプを内蔵しています。ケーブル補償は、出力電圧が 5.17V に設定されている場合にのみ可能です。2.4A の出力電流でのケーブル補償電圧は 90mV です。ケーブル補償は、携帯型デバイスにおいて、大きな負荷があるときも最適な電流および電圧で充電を行うために役立ちます。これは、負荷電流に比例して降圧レギュレータの出力電圧を変更することにより、車載ケーブルの配線抵抗による電圧降下を打ち消すものです。接続されている携帯型デバイスで測定される BUS 電圧は、負荷電流にかかわらずほぼ一定に保たれるため、携帯型デバイスのバッテリ充電器は最適に動作できます。
TPS2586x-Q1 は USB 充電およびシステム動作のための各種安全機能を備えています。たとえば、外付けの負特性サーミスタ監視、サイクル単位の電流制限、ヒカップ短絡保護、低電圧誤動作防止、バス過電流、OUT 過電流、ダイの過熱保護などです。
このデバイス・ファミリは、25 ピン、3.5mm x 4.5mm の QFN パッケージで供給されます。