JAJSMG9E March 2021 – December 2023 TPS3704
PRODUCTION DATA
電圧監視の要件は、電力供給されるデバイスの電源電圧許容誤差によって異なります。TPS3704x は高精度 (最大 ±1%) であるため、電源電圧マージンやスレッショルド ヘッドルームを広く確保でき、許容誤差の厳しいアプリケーションにも対応できます。
たとえば、MCU のコア電圧レールに電力を供給する DC/DC レギュレータを考えてみましょう。MCU の許容誤差は、DC/DC の公称出力電圧の ±5% です。ユーザーが設定する理想的な電圧スレッショルドは ±4% で、これでスレッショルド精度は ±1% になります。TPS3704x のスレッショルド精度は ±1% であるため、電源電圧マージンが大きくなり、電源電圧の設計に余裕を持たせることができます。これによって、電圧リップルや過渡に対する電圧ウィンドウが大きくなるため、より小さな出力コンデンサやインダクタを使用できる柔軟性が DC/DC に与えられることになります。また、TPS3704x がリセット信号をアサートせずに、電圧電源が誤動作の可能性のある領域になることがないように、最低システム電圧と MCU の電圧許容誤差の間にヘッドルームを確保しています。
図 8-1 に、上述した例における TPS3704x の電源の低電圧マージンと精度を示します。低い精度のスーパーバイザを使用すると、電源のリップルや過渡応答に使用できる予算が圧迫されて、ユーザーに対する柔軟性が低下し、より厳格な DC/DC コンバータの設計が必要になります。