JAJSQD3C May 2023 – August 2024 UCC21550
PRODUCTION DATA
デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。
ブートストラップ・コンデンサは、ローサイド・トランジスタがターンオンするごとに、外付けブートストラップ・ダイオードを通して VDD で充電されます。コンデンサの充電には大きなピーク電流を伴うため、ブートストラップ・ダイオード内の過渡的な消費電力が大きくなる場合があります。導通損失は、ダイオードの順方向電圧降下にも影響されます。ダイオードの導通損失と逆方向回復損失の両方が、ゲート・ドライバ回路の総合損失に影響を与えます。
外付けブートストラップ・ダイオードを選択する場合、逆方向回復とそれに関連するグランド・ノイズ・バウンスによる損失を最小限に抑えるため、順方向電圧降下が小さくかつ接合部容量が小さい高耐圧の高速回復ダイオードまたは SiC ショットキー・ダイオードを選択することを推奨します。この例では、DC リンク電圧は 800 VDC です。ブートストラップ・ダイオードの定格電圧は、十分なマージンを持って DC リンク電圧よりも高くする必要があります。そのため、この例では 1200V SiC ダイオード C4D02120E を選択しています。
ブートストラップ電源を設計する場合、ブートストラップ抵抗 (RBOOT) を使用することを推奨します。また、ブートストラップ抵抗は、DBOOT の突入電流を低減し、各スイッチング サイクル中の VDDA-VSSA 電圧の上昇スルーレートを制限するためにも使われます。
VDDx と VSSx の間に印加する電圧が FET と UCC21550 の絶対最大定格を下回るように制限しないと、デバイスに永続的な損傷が生じる可能性もあります。
RBOOT の推奨値は、使用するダイオードの種類に応じて 1Ω~20Ω です。この例では、ブートストラップ・ダイオードの突入電流を制限するため、2.2Ω の電流制限抵抗を選択しています。最も厳しい条件での DBoot のピーク電流の推定値は以下の式で表されます。
ここで、