JAJSEI9B October 2017 – January 2018 UCC28056
PRODUCTION DATA.
VOSNS端子電圧は、内蔵するトランスコンダクタンス・エラー・アンプの反転入力に印加されます。非反転入力には固定基準電圧(VOSReg)が印加されます。エラー・アンプは高ゲインであるため、定常状態で、VCOMP<5Vと仮定すると、VOSNS端子の平均電圧は基準電圧(VOSReg)とほぼ等しくなるはずです。したがって、出力電圧レギュレーション設定点(VOutReg)は、次の式により、出力電圧をVOSNS端子に接続する外付け分圧抵抗ネットワークで決まります。
VOSNS端子に電力を送る分圧抵抗は、無負荷時入力電力に大きく貢献します。抵抗値が高いほど、分圧器の消費電力を削減できます。
VOSNS端子バイアス電流(IOSBias)の影響により、抵抗値が高くなるとレギュレーション精度は低下します。
VOSNS端子バイアス電流による出力電圧レギュレーション精度の低下を1%未満にするため、Equation 73に示すように1次分圧抵抗値を制限する必要があります。
Equation 73 はVOSNS分圧器の消費電力が4mWを下回っても、レギュレーション精度に悪影響がないことを裏付けています。
この設計例のPFC段は、UCC256301が制御するLLC段に追従されます。UCC28056とUCC256301を組み合わせることによって、軽負荷効率が高く、スタンバイ消費電力の低い完全なオフライン電源システムが実現します。無負荷時入力電力を抑制するため、1つの分圧抵抗でVOSNS端子(UCC28056)とBLK端子(UCC256301)の両方に電力を送ります。UCC28056に必要な分圧比(KOS)とUCC256301に必要な分圧比(KBLK)は異なるため、タップが2つある分圧抵抗が必要です。1次分圧抵抗(ROS1)を2つのパーツ(ROS11、ROS12)に分けることで、タップを2つに増やせます。
この設計例では、3つの3.24MΩ、1206 SMT抵抗を直列接続して構成した1次分圧抵抗を選定します。このコンパクトでコスト効果の高い設計により、最適な高電圧抵抗が実現します。単一抵抗がよければ、高電圧タイプで、入力サージ試験で出力コンデンサを通る最大電圧に対応する定格のものを採用します。
Equation 74とEquation 75を同時に解くと、次のようになります。
この2つの分圧抵抗値は、次のように入手しやすい値を用いて求めることができます。
したがって、実際のレギュレーション設定点は次のとおりです。
VOSNS分圧抵抗の消費電力は次のとおりです。