JAJA452A january 2011 – may 2023
USB ヒューマン・インターフェイス・デバイス (HID) は、オペーレーティング・システムの中でも最も広範にサポートされているデバイス・クラスの 1 つです。元々はマウスとキーボード用に開発されたものですが、汎用の用途にも多くのメリットがあります。
汎用 USB アプリケーションの一般的な選択肢は、通信デバイス・クラス (CDC) を使用して実装できる仮想 COM ポートです。COM ポートはホスト・プラットフォームへの実装が簡単で、開発者にはよく理解されています。欠点は、Windows マシン用の USB 仮想 COM ポート・ソリューションでは、エンド・ユーザーがデバイスのインストール・プロセスを実行する必要があることです。このプロセスは、少々手間であることに加え、ユーザーが誤ったオプションを選択すると失敗する可能性があります。さらに、企業環境の一部のユーザーは管理者権限を持っていないため、ネットワーク管理者の助けがなければデバイスをインストールすることができません。一方、HID デバイスはサイレントにロードされ、これらの問題をすべて回避します。
HID にはいくつかの欠点があります。仮想 COM ポートと比較すると、多くのソフトウェア・エンジニアはその使用方法に慣れていません。HID は、データを伝送するのに「レポート」に依存しており、多くの場合、これらの複雑な形式は汎用アプリケーションに実際の価値を提供しません。基本的な HID 実装の帯域幅は、64KB/秒に制限されています。
これらの欠点を補うために、テキサス・インスツルメンツは Windows HID API とデモ・プロジェクトを提供しています。MSP430 HID API スタックに実装される「データパイプ・インターフェイス」と合わせて使用するように合理化されており、そのことにより HID レポートを生成する必要性が省かれます。 複合 HID デバイスとともに使用され、複数の HID インターフェイスを USB デバイスの中に複合的に組み込むことを容易にして、帯域を倍増させます。
合わせて使用すれば、MSP430 HID API スタックと Windows HID API がエンドツーエンドなソリューションを形成し、多くの汎用アプリケーションで仮想 COM ポートよりもメリットがあります。
MSP430 MCU 用の USB サポート・ソフトウェアについては、https://www.ti.com/tool/MSP430USBDEVPACK の MSP430 USB 開発パッケージを参照してください。