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  • 統合アナログ フロントエンド (AFE) SAR ADC の入力電圧範囲を拡大する回路

    • JAJA557B February   2018  – September 2024 ADS8588H , ADS8588S , ADS8598H , ADS8598S , ADS8688

       

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Analog Engineer's Circuit

統合アナログ フロントエンド (AFE) SAR ADC の入力電圧範囲を拡大する回路

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入力 ADC 入力 デジタル出力
VinMin = -40V AIN-xP = –10V、AIN-xGND = 0V –13107210 または 20000H
VinMax = 40V AIN-xP = 10V、AIN-xGND = 0V 13107110 または 1FFFFH
電源
AVDD DVDD
5V 3.3V

設計の説明

このクックブックでは、統合アナログ フロントエンド(AFE)でSAR ADCの入力電圧範囲を拡大し、2点較正法を実装して精度低下を抑える方法について述べます。この設計では入力電圧範囲±10VのADS8598Hを使用して、対応可能な入力電圧範囲を±40Vまで拡大します。これにより、電圧降下用のアナログ回路を追加することなく広い入力電圧範囲を利用でき、代わりに単純な分圧器を使用してデバイスのAFEと相互作用することで、デバイスの入力電圧に近い値まで電圧を降下できます。較正法を実装して、誤差の発生を抑えることができます。

類似のクックブック設計、『統合アナログ フロントエンド (AFE) のゲインおよびドリフト誤差に対する外部 RC フィルタ回路の影響を低減:±10V』 (最大 200kHz、16 ビット) も、外付け部品に起因するドリフトの測定方法を説明しているので、このアプリケーションに役立ちます。ADC で測定可能な入力範囲を拡大すると、以下のような最終製品で有用であることが実証されています。データ収集モジュール、多機能リレー、 AC アナログ入力モジュール、鉄道輸送用制御ユニット。

仕様

仕様 較正なしの精度測定結果 較正ありの精度測定結果
±40V 0.726318% 0.008237%

デザイン ノート

  1. 50ppm/℃、許容差 1% 以下の低ドリフトの抵抗を使用して、温度ドリフトに起因する誤差を低減します。なお、抵抗値が1MΩ以上になると、低ドリフトの高精度抵抗のコストは高くなる可能性があります。
  2. この構成では多くの場合、入力フィルタが必要とされます。これを大きな入力インピーダンスの直後に配置すると、コンデンサのリーク電流によって誤差を生じる可能性があります。入力フィルタ コンデンサが必要な場合については、この設計書に代替回路を示します。

部品選定

デバイスの内部インピーダンスは1MΩであり、外部抵抗は希望する入力電圧範囲(Vin)、この場合には±40Vに基づいて選定します。この外部抵抗がデバイスの内部インピーダンスとともに分圧器を形成し、ADC 入力ピンの入力電圧 (VinADC) をデバイスの入力電圧範囲である ±10V 以内に降下します。

  1. 分圧器の式を並べ替えて外部抵抗値を求めます。後でこの式を用いて、入力電圧から VinADC の推定値を計算できます。
  2. 希望の入力電圧範囲に対応する外部抵抗値を求めます。Vin = ±40V, Rin = 1M Ω

入力電圧範囲は、採用する外部抵抗値に応じてさまざまに拡大できます。

Vin (入力電圧) Rext
±40 3MΩ
±30 2MΩ
±20 1MΩ
±12 200kΩ

較正なしでの測定

±40Vの全範囲でさまざまなDC入力値を採用して、ADCの入力電圧と測定精度を測ります。次の式は、ADCが読み出すアナログ電圧の計算方法を示しています。ここで、FSRはシステムの全入力電圧範囲であり、この場合には40Vとなります。2という係数が記載されているのは、バイポーラ入力だからであり、入力電圧範囲は実際には±40Vすなわち80Vの範囲になります。この式の VoutADC は ±40V の範囲となり、システムの入力範囲に対応しています。

値の誤差率は次の式で計算します。

2点較正

外部抵抗に起因する読出誤差を除去するために、較正を適用できます。2点較正では、ADCの線形範囲内で全入力電圧範囲から0.25Vの2つのテスト信号を印加し、サンプリングします。次に、このサンプル測定値を用いて線形伝達関数の勾配とオフセットを計算します。較正により、外部抵抗に起因するゲイン誤差とデバイスの内部ゲイン誤差の両方が解消されます。

  1. -39V のテスト信号を印加します。
    Vmin コード測定結果
    -39V -128689
  2. 39Vのテスト信号を印加します。
    Vmax コード測定結果
    39V 128701
  3. 勾配とオフセットの較正係数を計算します。
  4. 較正係数をすべての後続測定に適用します。

2点較正での測定

較正係数

m = 3299.872、b = 6.008

較正を適用すると、読出誤差は大幅に低減します。

フィルタ コンデンサ付き代替回路

値の高い抵抗を使用するため、コンデンサの導入により、ドリフトの増大など、読出値に大きな影響を与えることになります。その原因はコンデンサのリーク電流にあります。このリーク電流は時間や温度の変化に伴って変動し、較正困難な誤差を生み出します。入力フィルタを必要とする場合は、代替回路を使用して実装できます。入力信号との関係で、コンデンサは外部抵抗の前に平衡RCフィルタとともに配置します。

フィルタ コンデンサ付き代替回路 - 部品選定

外付けアンチエイリアシングRCフィルタはノイズを低減し、電気的オーバーストレスからデバイスを保護します。同相ノイズ除去性能を高めるには平衡RCフィルタを構成する必要があり、正負両方の入力経路に整合する外部抵抗を追加します。これらの外部抵抗もまた、「デザイン ノート」に記載したように、低ドリフト抵抗とする必要があります。

  1. 希望するカットオフ周波数に応じてR値を選定します。この例ではカットオフ周波数を320Hz、抵抗値を10kΩとします。

    R = 10kΩ

  2. CFIL を選択します。

    標準的な容量値に近い値の、CFIL = 24nF が利用可能です。

使用デバイス

デバイス 主な特長 リンク 類似デバイス
ADS8598H 18ビット高速8チャネル同時サンプリングADC、単一電源によるバイポーラ入力対応 単一電源電圧でバイポーラ入力に対応する 8 チャネル同時サンプリング 18 ビット 500kSPS ADC 高精度 ADC

改訂履歴

Changes from Revision A (March 2019) to Revision B (September 2024)

  • 文書全体にわたって表、図、相互参照の書式を更新Go

Changes from Revision * (February 2019) to Revision A (March 2019)

  • 「2 点較正」セクションのテスト信号の値、式、較正係数、グラフを変更。Go
  • 「較正なしでの測定」セクションにテキストと式を追加。Go
  • タイトルを大文字から普通の表記にし、タイトルのロールを「データ コンバータ」に変更。回路クックブックのランディング ページへのリンクを追加。Go

 

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