JAJA691 September 2021 TMAG5170 , TMAG5170-Q1 , TMAG5173-Q1
十分な測定精度と速度を保ちながら、消費電力をできる限り抑えることは、移動や位置を監視するシステムには重要です。これは、磁気センサの消費電力がシステムの合計電力の大部分を占める可能性のある、バッテリ駆動または低消費電力のシステムにとって不可欠です。この例の 1 つは、 4 ~ 20mA ループを通じて、プログラマブル・ロジック・コントローラと通信する、工場の現場向けリモート・モニタです。
その他のバッテリ駆動または低消費電力アプリケーションの例として、ビル・セキュリティ・システムやホーム・セキュリティ・システムで使用されているドア・センサや窓センサがあります。角度検出機能を搭載したドア・センサは、開閉イベントを検出し、ドアがどれだけ開いたかを測定することができます。この機能は、リング磁石と、従来のドアヒンジに組み込まれたリニア 3D ホール・エフェクト位置センサを使用 して実装できます (図 2-1を参照)。低消費電力アプリケーションの場合、リニア 3D ホール・エフェクト位置センサは、5Hz 以下の低い周波数で動作する低消費電力のデューティ・サイクル・モードで使用する必要があります。
このアプリケーションでリニア 3D ホール・エフェクト位置センサを使用する利点の 1 つは、2 軸だけの感度で角度を監視し、 3 番目の軸を使用して、悪意をもってセンサを騙そうとする磁界を検出できることです。 たとえば、センサに磁石を置き、システムをだましてドアがまだ閉まっていると錯覚させるなどです。
TMAG5170 は、システム の消費電力を最適化するためのさまざまな電力オプション (表 2-1を参照) を備えています。アプリケーションの要求に応じて、センサをフル・アクティブ変換、スタンバイ、デューティ・サイクル、スリープ、またはディープ・スリープに設定できます。
電力モード | 動作 |
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アクティブ変換 | 継続的なデータ・ストリームを生成します。磁界のフル分析または処理に使用します。消費電流の代表値は、 数mA 程度 (低い 1 桁の範囲) です。 |
スタンバイ | デバイスは低消費電力状態であり、 MCU から指示があれば測定を開始します。消費電流:1mA 未満 |
デューティ・サイクル | デバイスはスリープ・モードに移行し、指定された間隔でウェークアップして測定を行います。消費電流は 1Hz で 1.3µA です。 |
スリープ | デューティ・サイクル・モードと同様ですが、デバイスは自動的に測定を開始するのではなく、 MCU からの指示を待って測定を行います。 |
ディープ・スリープ | デバイスは実質的にパワーダウンしており、消費電流は 5nA です。 |