4 機械的誤差の発生源

さまざまな非線形性は、システム・レベルの機械的誤差の代表的な副産物です。これらは通常、組み立ての許容誤差が原因で発生し、前述のパターンのさまざまな組み合わせが生成されます。

これらの誤差は、以下のいずれかの条件により発生します。

• 磁石の傾きおよび揺れ
• 磁石の偏心
• センサのアライメント
• センサの配置オフセット

どのような構成でも、すべてのシステムで一貫した性能を達成するため、製造のばらつきを制限するのが有益であることは明らかです。

これらの誤差は、直径 6mm、3mm 厚の磁石を使用して個別にシミュレーションします。センサは、面内または軸上アライメントのどちらでも、最も近い磁石の表面から 4mm の位置に配置します。軸外アライメントの場合は、センサは磁石の外径の 4mm 下に配置されます。磁石のグレードは N52 です。

磁石の偏心

磁石がシャフトの回転軸を中心として配置されていない場合、異なる種類の揺れが発生します。

図 4-8 偏心のある軸上アライメント

偏心のグラフ

この場合、磁石は自身の面内で振動します。その結果、磁石の位置が角度に依存したものになります。この誤差は、大きな角度誤差を引き起こす可能性があります。中心からのオフセットが 0.1mm である場合、以下の誤差が発生します。どの場合も、振幅の不一致またはオフセットによる表示角度誤差はすでに補正されており、残留誤差は理想的ではない位相または入力の歪みによるものです。

図 4-9 軸上：偏心がある場合の磁界入力

図 4-11 軸外：偏心がある場合の磁界入力

図 4-13 面内：偏心がある場合の磁界入力

図 4-10 軸上：偏心がある場合の角度誤差

図 4-12 軸外：偏心がある場合の角度誤差

図 4-14 面内：偏心がある場合の角度誤差

センサのアライメント

通常、システムに対して適切なアライメントを実行するには、回転する磁石に対してセンサを垂直に配置する必要があります。

図 4-15 センサが傾いている軸上アライメント

このアライメントは、回転軸の傾き、または実際のセンサの傾きに影響されることがあります。ハンダ・リフロー中、多くの表面実装デバイスは PCB のフットプリントに対して自己整合を実行し、ハンダの硬化による多少の変動が存在する可能性があります。各軸をわずか数度回転させるだけで、以下の誤差が生じます。どの場合も、振幅の不一致またはオフセットによる表示角度誤差はすでに補正されており、残留誤差は理想的ではない位相または入力の歪みによるものです。

図 4-16 軸上：センサが傾いている場合の磁界入力

図 4-18 軸外：センサが傾いている場合の磁界入力

図 4-20 面内：センサが傾いている場合の磁界入力

図 4-17 軸上：センサが傾いている場合の角度誤差

図 4-19 軸外：センサが傾いている場合の角度誤差

図 4-21 面内：センサが傾いている場合の角度誤差

センサの配置オフセット

センサの配置オフセットは、最終的なセンサの位置が目的の設計と一致していないために発生します。

図 4-22 位置オフセットがある軸上アライメント

これは、ハンダ・リフロー時にデバイスがアライメントを実行する位置から、より大きなシステム内のシステム部品の位置の許容誤差に至るまで、組み立て時の課題によって発生する可能性があります。X 方向と Y 方向のオフセットが 0.5mm である場合、以下の誤差が発生します。どの場合も、振幅の不一致またはオフセットによる表示角度誤差はすでに補正されており、残留誤差は理想的ではない位相または入力の歪みによるものです。

図 4-23 軸上：位置オフセットがある場合の磁界入力

図 4-25 軸外：位置オフセットがある場合の磁界入力

図 4-27 面内：位置オフセットがある場合の磁界入力

図 4-24 軸上：位置オフセットがある場合の角度誤差

図 4-26 軸外：位置オフセットがある場合の角度誤差

図 4-28 面内：位置オフセットがある場合の角度誤差