JAJA758 October   2022 LM5123-Q1

 

  1.   1
  2.   LM5123 を使用して昇圧コンバータを設計する方法
  3.   商標
  4. 1設計例
  5. 2計算と部品の選択
    1. 2.1  スイッチング周波数
    2. 2.2  インダクタの初期計算
    3. 2.3  電流センス抵抗の選択
    4. 2.4  インダクタの選択
    5. 2.5  出力コンデンサの選択
    6. 2.6  入力コンデンサの選択
    7. 2.7  帰還抵抗の選択
    8. 2.8  UVLO 抵抗の選択
    9. 2.9  ソフトスタート・コンデンサの選択
    10. 2.10 制御ループの補償
      1. 2.10.1 クロスオーバー周波数 (fcross) の選択
      2. 2.10.2 RCOMP の選択
      3. 2.10.3 CCOMP の選択
      4. 2.10.4 CHF の選択
    11. 2.11 MOSFET の選択
  6. 3実装結果
  7. 4小信号周波数解析
    1. 4.1 昇圧レギュレータの変調器のモデル化
    2. 4.2 補償のモデル化
    3. 4.3 開ループのモデル化
  8. 5リソース

帰還抵抗の選択

LM5123 は、TRK ピンの電圧によって負荷電圧を制御します。TRK ピンは、内部のエラー・アンプへの基準電圧です。出力電圧には 2 つのレンジがあり、1 つは 5V~20V の出力電圧範囲を許容する LOW レンジ、もう 1 つは 20V~57V の出力電圧範囲を許容する HIGH レンジです。 このレンジは、 VREF ピンと AGND との間に接続される抵抗によって選択されます。VREF ピンは 1V の基準電圧であり、 分圧抵抗を介してTRK ピンに固定負荷電圧を設定するために使用します。電圧レンジを選択するための抵抗の範囲を 表 2-1 に示します。VREF と ANGD の間に 470pF のコンデンサを配置することを推奨します。

表 2-1 VLOAD 範囲の選択
電圧レンジ 最小抵抗 最大抵抗 KFB(1)
LOW レンジ (5V~15V) 75kΩ 100kΩ 20
HIGH レンジ (20V~57V) 20kΩ 35kΩ 60
KFB は VOUT/SENSE ピンから内部のエラー・アンプへの帰還減衰です。
GUID-20201209-CA0I-NWBM-RXWF-CVMN8KSQCFMV-low.gif図 2-3 可変負荷電圧構成
GUID-20201209-CA0I-C8ND-GSGR-T1S5Q8DNNFTG-low.gif図 2-4 固定負荷電圧構成

可変負荷電圧の場合、図 2-3 に示すように、TRK ピンの電圧は外部電源によって設定されます 。

RSET 抵抗の値は、必要な負荷電圧範囲に基づいて選択します。RSET.の選択は、表 2-1 を参照してください。与えられた目標負荷電圧に対する TRK ピンの電圧は、式 15 を使って計算します。

式 15. V T R K = V L O A D K F B

固定負荷電圧を構成するには、図 2-4 に示すように、VREF ピンと TRK ピンの間に分圧抵抗を接続します 。

RVREFT は、式 16 で計算した値の範囲内で選択する必要があります 。

式 16. R V R E F m i n V R E F - V L O A D K F B V R E F R V R E F T R V R E F m a x V R E F - V L O A D K F B V R E F 20 k Ω 1 V - 24 V 60 1 V R V R E F T 35 k Ω 1 V - 24 V 60 1 V

目標負荷電圧が 24V と仮定すると、 RVREFT は 12kΩ~21kΩ とする必要があります。RVREFT には 21kΩ を選択します。RVREFB の値は 式 17 を使って計算します。

式 17. R V R E F B = V L O A D K F B R V R E F T V R E F - V L O A D K F B = 24 V 60 21 k Ω 1 - 24 V 60 = 14   k Ω

RVREFB には 14kΩ を選択します。