JAJA760 August 2022 TPS61094
太陽電池は、物理的・化学的現象である光起電力効果によって光のエネルギーを直接電気に変換する電気デバイスです。一般的な単一接合シリコン太陽電池は、約 0.5V~0.6V の最大開放電圧を生成することができます。通常、個々の太陽電池デバイスが、光電池モジュールを構成する電気的なブロックとなっています。最も一般的に知られている太陽電池は、シリコンから作られた大面積の pn 接合から構成されています。
開放電圧と短絡電流は、ソーラー・パネルの最も重要なパラメータです。一般に、動作電圧および電流は負荷抵抗によって変化します (『単一セル・ソーラー・パネルからのリチウムイオン・バッテリ向け環境発電のリファレンス・デザイン』)。 さまざまな負荷に対する動作電流と動作電圧の関係を 図 3-5 に示します。これは、太陽電池の VI/VQ 曲線です。
同じソーラー・パネルでも、光の照射条件が異なる場合には最大出力電力となる負荷が変化します。そのため、調整を行い、ソーラー・パネルを最大電力点で動作させるようにすることが重要です。最大電力点追従とは、条件が変化したときでも最大のエネルギーを取り出せるようにするため、可変電力源に対して使用される手法です。これにより、条件が変化したときに取り出すエネルギーを最大化できます。MPPT が対処する主要な課題は、入射する太陽光の量やソーラー・パネルの温度および負荷の電気特性に依存する、太陽電池からの電力伝送効率です。これらの条件が変化するにつれて、電力伝送が最大となる負荷特性も変化します。負荷特性が変化したときにシステムを最適化し、電力伝送を最大効率に維持します。この最適な負荷特性を最大電力点 (MPP) と呼びます。MPPT は、条件の変化に応じて負荷特性を調整するプロセスです。太陽電池に最適な負荷を与え、そのうえで他のデバイスやシステムに合わせて電圧、電流、周波数を変換するように回路を設計することが可能です。