JAJA776 March 2022 AMC23C10
設計目標
ハイ サイド電源 | 入力 電圧 |
動作電圧 |
ローサイド電源 |
出力電圧 |
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12 V | ±170Vpk の正弦波 | ≧ 400VRMS | 3.3V~5.0V ±10% | ≦ ローサイド電源 |
設計の説明
このゼロクロス検出器の回路は、AC 入力がゼロクロスのリファレンス電圧と交差するとき、出力状態が変化します。この設計は、反転と非反転のデジタル出力を使用し、AC 正弦波のゼロクロスを検出するシングルチップ ソリューションを採用しています。この回路は、コンパレータの反転入力をグランドに設定し、クランプされた正弦波を非反転入力に印加することで作成されます。入力電圧は、R1 と 1 対のアンチパラレル ダイオードによってクランプされます。この場合、アッテネータの代わりにダイオードを使用してゼロクロス付近で入力のスルーレートを最大化し、出力レイテンシを短縮します。この回路は、制御回路で AC ラインのゼロクロス検出に使用され、スタンバイおよびオフ モードでの消費電力を低減します。
デザイン ノート
設計手順
改訂版の設計
次の回路図は、AMC23C10 を使用した改訂版の設計の実装を示しています。
AMC23C10 は容量性絶縁を使用して、1000V の動作電圧を実現します。VDD1 の電圧源は 3V~27V で規定され、LDO により内部で制御されます。VDD2 は 2.7V~5.5V で規定されています。通常動作時の入力電圧範囲は ±1V です。OUT1 のロジック出力はオープン ドレインで、VDD1 へのプルアップ抵抗とともに使用できます。OUT2 はプッシュプル・タイプの出力で、外付けプルアップ抵抗は不要です。
設計シミュレーション
測定された応答
以下の図に、AMC23C10 絶縁コンパレータを使用して測定された、ゼロクロス検出回路の応答を示します。入力はトレース 1 でキャプチャされ、OUT1 と OUT2 はそれぞれトレース 2 と 3 に示されています。入力の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの両方で測定した場合、入力のゼロクロスから出力遷移までの遅延時間は 220ns を超えません。
設計の参照資料
テキサス・インスツルメンツの総合的な回路ライブラリについては、『アナログ エンジニア向け回路クックブック』を参照してください。
テキサス・インスツルメンツ、『AMC23C10 デュアル出力、高速応答、強化絶縁型コンパレータ』データシート
設計に使用されている絶縁型コンパレータ
AMC23C10 | |
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動作電圧 | 1000 VRMS |
VDD1 | 3.0 V~27 V |
VDD2 | 2.7 V~5.5V |
入力電圧範囲 | ±1000 mV |
出力オプション | OUT1 - オープン ドレイン |
OUT2 - プッシュプル | |
AMC23C10 |
230VAC 入力の代替設計
AMC23C10 | |
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動作電圧 | 1000 VRMS |
AC 入力 | 325VPK |
理想的な R1 | 3.25 MΩ |
R1 E96 規格 | 3 個でそれぞれ 1.09MΩ |