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  • HEV/EV におけるシャント ベースとホール ベースの絶縁型電流センシング ソリューションの比較

    • JAJA778C June   2018  – March 2023 AMC1035 , AMC1035-Q1 , AMC1200-Q1 , AMC1204-Q1 , AMC1211-Q1 , AMC1300B-Q1 , AMC1301-Q1 , AMC1302-Q1 , AMC1304L05-Q1 , AMC1304L25-Q1 , AMC1304M05-Q1 , AMC1304M25-Q1 , AMC1305L25-Q1 , AMC1305M05-Q1 , AMC1305M25-Q1 , AMC1336-Q1 , AMC3301-Q1 , AMC3302-Q1 , AMC3330-Q1 , AMC3336-Q1

       

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Application Brief

HEV/EV におけるシャント ベースとホール ベースの絶縁型電流センシング ソリューションの比較

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はじめに

電気自動車 (EV) やハイブリッド電気自動車 (HEV) の世界市場は急速に成長しています。これらの自動車はガソリンやディーゼル車に比べて燃費が高く、排出量が少ないうえ、再生可能エネルギーを活用しているからです。トラクション インバータ、オンボード チャージャ (OBC)、DC/DC コンバータ、バッテリ管理システム (BMS) などの HEV/EV パワートレイン サブシステムでエネルギー フローを制御し、効率を最適化するには、高精度で正確な電流測定が不可欠です。これらの高電圧サブシステムは、一般に 400V を上回る高電圧で大電流を測定する必要があります。したがって、これらの電流測定には絶縁と、過酷な車載環境での高性能が必要です。

さまざまな絶縁型電流測定方法

HEV/EV アプリケーションは、コスト、精度、信号帯域幅、レイテンシ、測定範囲、絶縁定格、パッケージ サイズの要件がそれぞれ異なっています。絶縁型の電流測定には、いくつかの方法があります。ただし、HEV/EV サブシステムで主に使用されるのは、絶縁型アンプ (図 1) か絶縁型変調器 (図 2) を使用するシャント ベースの方法、または開ループ (図 3) か閉ループ (図 4) のホール センサを使用するホール ベースの方法です。

 絶縁アンプ図 1 絶縁アンプ
 絶縁型変調器図 2 絶縁型変調器
 開ループのホール センサ図 3 開ループのホール センサ
 閉ループのホール センサ図 4 閉ループのホール センサ

シャント ベースとホール ベースの方式の比較

従来、設計者は小電流 (50A 未満) の測定にはシャント ベースのソリューションを、大電流 (50A 超) の測定にはホール ベースのソリューションを選んでいました。しかし、電流測定精度の要件が厳しくなってきたため、自動車メーカーは特に大電流の環境で、ホール ベースの方式からシャント ベースの方式に移行しつつあります。自動車メーカーの間では、測定精度をさらに向上させるために、絶縁型アンプ ベースのソリューションから、絶縁型変調器ベースのソリューションに移行する傾向もあります。

テキサス・インスツルメンツはクラス最高の絶縁型アンプと絶縁型変調器を提供しており、高精度シャントと組み合わせると、温度範囲全体にわたって非常に高精度の絶縁型電流測定を実現できます。大電流の車載環境における、シャント ベースとホール ベースの絶縁型電流センシング ソリューションの基本的な違いを、表 1 に示します。

表 1 シャント ベースとホール ベースの絶縁型電流センシングの違い
カテゴリ シャント ベース ホール ベース
ソリューション サイズ 同等 同等
オフセット 非常に小さい 中程度
温度範囲でのオフセット ドリフト 小 中程度
精度 キャリブレーション後 0.5% 未満 キャリブレーション後 2% 未満
ノイズ 非常に小さい 大
帯域幅 同等 同等
レイテンシ 同等 同等
非線形性 非常に小さい 大
長期安定性 非常に大きい 中程度
コスト 同等 同等
振動の影響 非常に小さい 小
消費電力 小 非常に小さい
カスタマイズ フレキシブル 制限付き

シャント ベースとホール ベースの方法の分析

  • ホール センサは本質的に絶縁されているため、シングル モジュールの手法が可能です。一方、シャント ベースのソリューションでは、絶縁型のアンプまたは変調器と、同相電圧の高電圧側に絶縁型電源が必要です。
  • シャント ベースのソリューションは、初期オフセットが非常に小さく、温度によるオフセット ドリフトも小さく、外部の磁界の影響を受けにくくなっています。
  • 非線形のホール ベースのソリューションに比べて、シャント ベースのソリューションは電圧範囲全体にわたって線形性が高く、特にゼロクロスや磁気コアの飽和領域付近で線形性が高くなります。
  • シャント ベースのソリューションでは、基本的なワンタイム キャリブレーションを使用するホール ベースのソリューションに比べ、温度範囲全体にわたって DC 精度が向上します。シャント ベースのソリューションの精度は、特に電流が小さいときは、外部の磁界に対する感度が制限されるため、はるかに優れています。
  • インライン シャントの両端での電圧降下は、放熱と電力損失の原因になります。しかし、シャント技術の進歩に伴い、シャントの軽量化、抵抗値の低下、精度とドリフト性能の向上が実現してきました。抵抗値の小さいシャントを使用すると、放熱が低減されます。さらに、テキサス・インスツルメンツの絶縁型アンプと変調器は非常に小さい入力電圧範囲 (±50mV と ±250mV) に対応し、優れた総合精度を実現達しています。シャント技術のこのような改良と、入力範囲の小さい絶縁型デバイスが利用できるようになったため、システム全体の測定精度を犠牲にせず、放熱が減少しました。
  • ホール ベースのセンサは一般に、動作温度範囲に制限があります (通常は -40℃~+85℃)。一方、シャント ベースのソリューションは、より高い動作温度範囲 (通常は -40℃~+125℃) をサポートできます。
  • ホール ベースとシャント ベースの絶縁型アンプ ソリューションは、どちらも信号帯域幅はほぼ同じで、通常は最高数百キロヘルツ (kHz) です。ただし、絶縁型変調器では高速なビット ストリーム出力が得られるため、ユーザーはデジタル フィルタリングを外部で実装およびカスタマイズできます。このカスタマイズにより、信号帯域幅が高く低レイテンシのソリューションを開発できます。

絶縁型シャント ベースの電流センシングのリファレンス デザイン

トラクション インバータは電気モーターを制御するもので、HEV/EV のドライブトレインの重要なコンポーネントです。トラクション インバータには、高い同相電圧で高精度の電流センシングが必要です。トラクション インバータでの電流測定は、2 つのシャント ベースの方法のいずれかを使用して実現できます。

図 5 は、AMC1301-Q1 などの車載グレードの強化絶縁型アンプによって高温 (高い同相電圧) 側から絶縁されているシャントの両端での電圧降下を示しています。

AMC1305M25-Q1 などの車載グレードの強化絶縁型変調器を使用して、高温側のシャントの両端での電圧降下を低温側から絶縁する、2 番目のシャント ベースの測定方法を、図 6 に示します。

 絶縁アンプを使用する絶縁型電流測定図 5 絶縁アンプを使用する絶縁型電流測定
 絶縁変調器を使用する絶縁型電流測定図 6 絶縁変調器を使用する絶縁型電流測定

測定精度を向上させるには、絶縁型変調器を使用します。このソリューションでは追加の A/D 変換段が不要で、それに関連する誤差が排除されます。絶縁型変調器からの高速ビットストリーム出力は、シグマ-デルタ フィルタ モジュール (SDFM) を内蔵したテキサス・インスツルメンツの C2000 ファミリなどのマイコン (MCU) や FPGA によってフィルタリングされるため、信号帯域幅と精度を微調整できます。

車載用絶縁型デバイスに関する推奨事項

デバイス 絶縁 説明
AMC1305-Q1 強化 ±50mV、±250mV の絶縁型変調器
AMC1301-Q1 強化 ±250mV の絶縁型アンプ
AMC1302-Q1 強化 ±50mV の絶縁型アンプ

まとめ

HEV/EV サブシステムで絶縁型電流センシングを行うには、シャント ベース方式やホール ベース方式など、複数の測定方法があります。手ごろな価格設定の高精度シャントと、高性能の絶縁型アンプや変調器の進歩に伴い、シャント ベース ソリューションは従来のホール ベース ソリューションに代わる優れた選択肢になりました。

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